この記事では、オウンドメディアのノウハウを自社に蓄積するためのポイントをご紹介します。
また、蓄積したノウハウを確実に実行するための仕組み作りについても解説するので、オウンドメディアの成果にお悩みの方はぜひ最後まで読んでみてください。
結果の出ないオウンドメディアの問題点
オウンドメディアを運営している企業でも、大成功しているメディアもあれば、ほとんど結果が出ないメディアもあります。
この結果の違いは、オウンドメディアのノウハウがあるかどうかで決まります。
残念ながら、がむしゃらに記事の数を増やしたり、オウンドメディアをSNSで一生懸命拡散しても、成功につながるとは限りません。
オウンドメディアで結果を出したいのであれば、成功に直結する『正しいノウハウ』を手に入れる必要があるのです。
オウンドメディアのノウハウが貯まらない原因
正しいノウハウを手に入れるためには、「なぜ、自社にオウンドメディアのノウハウが貯まらないのか」を時間をとって考えることが大切です。
ここでは、多くの企業がオウンドメディアのノウハウを貯められない原因をご紹介します。
最初から完璧を求めている
成功につながるノウハウは『試行錯誤を繰り返す』ことで始めて手に入れることができます。
例えば、1記事でバズを狙うよりも、100記事書いてみて反応の良い記事だけをリライトしてくほうが、圧倒的に速いスピードで結果を出すことができるのは言うまでもありません。
ノウハウは基本的に、実践を通して手に入れていくものです。始めから完璧なメディアを作ろうとすることは、逆にノウハウの蓄積を遅くしてしまう可能性があります。
間違った情報を信じている
ノウハウを持っているにも関わらず、思うような成果が出ていないのであれば、そのノウハウ自体が間違っていないかを改めて見直して見ましょう。
例えば、オウンドメディアの記事数は多い方がいいと思っていませんか?
しかし現実には、記事の数を減らしたことでアクセス数が増えたとう事例がいくつもあります。
前述したように、オウンドメディアのノウハウは『自社メディアに合っているかどうか』が最重要なので、世の中に広まっている情報を盲信するのは危険です。
オウンドメディアの段階別ノウハウ
オウンドメディアのノウハウと一言で言っても、実際には数多くのノウハウが必要になることでしょう。
それらを一度に考えるのは難しいので、まずはオウンドメディアの段階ごとにノウハウを整理するのがおすすめです。
オウンドメディアの構築は基本的に『企画』『制作』『改善』の3段階で行われます。
それぞれの段階で押さえておきたい基本的なノウハウをご紹介していくので、この機会に改めて自社のオウンドメディアと照らし合わせてみてください。
オウンドメディア企画段階のノウハウ
オウンドメディア構築は、全ての土台となる『企画』を考えることから始まります。
この企画を適当に作ってしまうと、その後どれだけ制作や改善を頑張ってもオウンドメディアで思うような結果を出すことができません。
そのため、オウンドメディアの中でも最も力を入れて、かつ慎重にノウハウを作り上げていくべき段階です。
企画段階のノウハウ1 目的を決める
一番最初の作業は、オウンドメディアを運営する目的を明確にすることです。
オウンドメディアの主な目的としては、『認知・ブランディング』『リードの獲得』『売上』の3つがあります。
どの目的を目指すにしても、かならず目的達成のための指標(KPI)をしっかりと立てておくことが大切です。
企画段階のノウハウ2 ターゲット選定
次に、オウンドメディアに訪れてくれるユーザーのターゲット層を決めてください。
オウンドメディアのテーマとターゲットの関心がマッチしているほうが、バズが広がったり、見込み客が集まりやすくなります。
また、ターゲット選定をする際は、そのターゲットがネットで検索しているキーワードも合わせて書き出しておくと、グッとオウンドメディアの成功が近づきます。
企画段階のノウハウ3 キーワード選定
前に書き出したターゲットがネットで検索しているキーワードの中から、オウンドメディアの目的に適うキーワードを選びます。
本メディア『web+』では、主に以下の3つのポイントを基準に、キーワード選定を行なっています。
- 月間検索数が10以上あること
- 検索インデックス数が100万件以下であること
- 検索順位1位の記事よりも価値のある記事を書けること
ここで抽出したキーワードを、エクセルやスプレットシートに保存しておくと、後の作業が効率化できます。
オウンドメディア制作段階のノウハウ
記事はオウンドメディアの最も重要な要素です。企業によっては、記事の制作を外注する場合もあるため、納品されてから「こんなはずでは」とならないためにも、ノウハウをしっかり蓄えておきましょう。
制作段階のノウハウ1 見出し構成
記事のクオリティのほとんどは、『見出し構成』によって決まります。
一から見出しを作るのは難しいので、自分が狙うキーワードで上位表示されている記事の見出しを参考にすると良いでしょう。
また、見出しの数などは、各オウンドメディアによって変わってくると思いますが、少なくとも「h2の見出しを3個以上使う」のようなルールを決めておくのがおすすめです。
このようにルールを統一することによって、いざ外注のライターを使う際にも、一定のクオリティの記事が納品されてくる可能性が高くなります。
制作段階のノウハウ2 記事の作成
オウンドメディアが成功するかどうかは、この記事の質にかかっています。
自社で記事を製作するにせよ、外注をするにせよ、徹底的にクオリティにこだわった記事を作ることが大原則です。
ここでいうクオリティとは、読者が「読んでよかった」と思える記事を書くということ。
記事の製作についてのポイントは山ほどあるので、興味がある方は以下の記事を参考にしてみてください。
制作段階のノウハウ3 記事のチェック
記事を作り終えたら、公開する前に必ず推敲(すいこう)や校正といったチェックを行いましょう。
どれだけ良い内容の記事でも、誤字脱字が多いと信用性が失われます。また、日本語的に読みにくい箇所があると、途中で読む気がなくなります。
記事のチェック(添削)ポイントに関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ目を通してみてください。
オウンドメディア改善段階のノウハウ
オウンドメディアの記事は、製作をして終わりではありません。作った記事を最大限に活用するためにも、製作後の改善作業が不可欠です。
記事を公開した後にやるべきことをまとめたノウハウも用意しておきましょう。
改善段階のノウハウ1 ディスクリプション
ディスクリプションとは、検索で表示された時にタイトルに下に表示される説明文のことを言います。
意外と見落とされがちなディスクリプションですが、実はSEOに大きく影響するため、必ず設定をしておきましょう。
改善段階のノウハウ2 メディア内の回遊設計
メディア内の回遊設計は、ユーザーがオウンドメディア内の多くの記事を読む仕組みづくりと考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、記事の最後にランディングページへの誘導リンクを挿入したり、記事に関係する自社メディアの他の記事リンクを挿入する(=内部リンク)などの施策が考えられます。
記事の製作を外注する場合には、ライターがメディアの他の記事を把握していない場合が多いもの。そのため、内部リンク施策などはオウンドメディアの記事を管理している編集者が担当するのが一般的です。
改善段階のノウハウ3 問題点の洗い出し
時には、製作した記事が思ったよりも成果に繋がらないこともあります。そんな時は、オウンドメディアや記事の問題点を洗い出しましょう。
例えば、リード(見込み客)が獲得できないという問題について考えてみると、
- そもそも、オウンドメディアへのアクセス数が少ない
- ランディングページ(LP)の成約率がよくない
- メディア内の導線が複雑で、ユーザーがLPにたどり着いていない
といった様々な原因が考えられます。問題は同じでも、問題を解決するための方法はいくつも考えられるのです。
オウンドメディアの成果を上げるためには、メディアの数字を毎日追って、ボトルネック(成功を妨げている要因)を洗い出すことが大切です。
正しいノウハウと間違ったノウハウの見分け方
ここでいう正しいノウハウとは、実際にやってみてうまくいった施策のことを言います。逆に、実際にやってみて効果がなかった施策が間違ったノウハウです。
正しいノウハウか間違ったノウハウかを判断するためには、どちらにせよ『実践』することが必要。少しでも改善の可能性がある施策は、片っ端から試していきましょう。
結局のところ、成果の上がった施策をやり続けることが、オウンドメディアで結果を出す一番の近道です。
これまで、あなたがオウンドメディアに対して行なった施策の中で、うまくいった施策にはどんなものがありましたか?
オウンドメディアのノウハウをメンバーで共有する
オウンドメディアは基本的に『チーム戦』です。オウンドメディアの企画、記事の執筆、メディアの分析までを全て一人でやることはまずありません。
であれば、やってみてうまくいった施策、つまり正しいノウハウは、必ずメンバー内で共有することが大切です。
仮に正しいノウハウで成果が2倍になったとしても、自分一人だけでは全体の生産性にはあまり影響しません。
しかし、このノウハウを100人のメンバーに伝えたら、生産性は一気に200倍にまで跳ね上がります。うまくいった施策は積極的にチームメンバーに共有しましょう。
ノウハウはルール化すること
正しいノウハウを発見したら、それをルール化することを徹底してください。これが正しいノウハウを確実に実行するための仕組みとなります。
このようなルールがないと、ライターによって記事のクオリティが大きく変わるため、添削が大変だったり、書き直しを指示する回数が増えるなど余計な手間が増えてしまいます。
例えばweb+では、『タイトルの文字数は32文字以内に抑える』『1記事の文字数は2000文字以上』といったルールを採用しています。
このルールにより、記事の品質も一定以上を保つことができ、添削の際もみるべきポイントが絞られるため、業務の効率化に役立っています。
オウンドメディアの段階別ノウハウ まとめ
今回はオウンドメディアを成功させるためのノウハウを、段階別にご紹介しました。
記事中でもお伝えしているように、最終的には自社のオウンドメディアに適したノウハウを確立することが必要です。
とはいえ、今回紹介したポイントを押さえて運営すれば、少なくとも大失敗をすることはまずありません。
うまくいった施策をノウハウとして自社内で蓄積し、安定したオウンドメディア運営を目指しましょう。