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僕たちが普段楽しんでいるサッカーや野球などのスポーツ。何気なく見ているかもしれませんが、いたるところでマーケティングが行われています。それによって有名になったり、世界に名を轟かすことができているのです。
今回の記事では、そんなスポーツマーケティングの事例を紹介していきます。ニッチなチームや事例を紹介しているので、ぜひ目を通してみてくださいね!
SNSを活用したスポーツマーケティングの事例
それではまず初めに、スポーツマーケティングのSNSを活用した事例を紹介していきます。
SNSを活用したスポーツのマーケティングについては様々なメディアで取り上げられていますが、結構有名どころのチームを扱っていたりそれをまたここで紹介しても面白くないので、この記事ではあまり知られていないニッチなSNSの活用事例を紹介します。
- アンコールタイガーFC
- 千葉ジェッツ 島田社長&原選手
それではどうぞ!
アンコールタイガーFC(@Angkor_Tiger_FC)
最初に紹介するのは、アンコールタイガーFCというサッカーチームのSNSを活用したマーケティング事例。
このチームはカンボジアの国内リーグ1部に所属しているチームで、オーナーとGMを日本人が勤めているチームです。Twitterも日本語のアカウントを持っていて、日々更新されています。Twitterでは「@Angkor_Tiger_FC」と検索をすれば出てきます。
このアンコールタイガーのSNS活用事例として面白いなと思ったのがオーナーとGMのやり取りを、グループLINEにて覗けてしまうという、今までにない斬新な取り組みです。
僕はグループLINEに登録をして、今も毎日見ています。というのも、毎日やり取りが行われているので、自分自身がスポーツマーケティングや経営について強い興味があるということもあって楽しく拝見しています。
交わされる内容としては、メディアへの露出のこととか契約関係の話、時折登録しているオーディエンスに向けて質問タイムを設けてくれるので、それに対しての回答もしてくれます。
その質問の内容もこのチームをなぜ買ったのか、普段どんな取り組みをしているのか、などで込み入った話が聞けるのも面白いところです。
また、先日行われたのですが「オーディエンスに参加させる」ということと「自分たちのビジネスに活かす」という観点から面白い取り組みだなと思ったものがありました。
それは、ダービーマッチを盛り上げる(観客動員数を増やしたい・アンコールタイガーのファンになってほしい)ためのアイディアの募集です。このLINEに登録している人たちはサッカーだけでなく、経営やマーケティングにも興味のある人たちだと思うのですが、だからこそ活発的な意見交換が行われていました。
チームのオーナー、GMの方の狙いとしては自分たちでは考えつかない面白い案がほしいということや、今回のダービーマッチ以外でも使える施策を得たかったのではないでしょうか。多くの異なる意見が飛び出してきて、僕も勉強になったので、素晴らしい取り組みだったと僕は思っています。
実際にある方のアイディアが採用されて、6月9日のダービーマッチで実施されるということなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
このように参加型にすることで、よりチームに興味を持ってもらえますし、日本にもアンコールタイガーのファンがいるとなれば、嬉しいことですよね!
ちなみにですが、このLINEグループはまだ人数に余裕があるのでスポーツ経営やマーケティングに興味のある人は登録した方がいいですね、実際に公開してくれるチームは他に見たことがないので、目で耳で肌で実際の経営について感じ取ることができます。
千葉ジェッツ 島田社長&原選手(島田社長:@SHIMADASHINJI、原選手:ShutaHara31)
続いて紹介するのは日本のバスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」の1部に所属する強豪千葉ジェッツのSNSマーケティング。今回の主役となるのは社長である島田慎二さんと選手である原修太さん。
この2人は、2018年1月に「1月中にフォロワー1万人を達成したらイベントを開催する」という企画を行いました。これは、島田社長の思いつきだということで、原選手は巻き込まれた形になりましたが、2人でフォロワー1万人を目指して試行錯誤を繰り返していました。
これはファンへの感謝企画とも取れる企画で、2人が1月中にフォロワー1万人を達成したら30名の方を招待して飲み会を開くということ。飲み会というラフな場所で、社長と選手から話が聞けるのは、ファンからしたら嬉しいことですよね!
実際にこれは達成されて、飲み会も実施されました。
【 #いくぜ10000 】昨日の代表島田&原選手との飲み会の様子を少しだけお届けします📸ちなみに今回の企画は、千葉ジェッツのオフィシャルパートナーであるリンクスビルド様が経営する2Leoniで開催させて頂きました❗記念色紙も飾って頂いているので、みなさま船橋においでの際はぜひ一度ご来店を✨ pic.twitter.com/wcV1jPgQaO
— 千葉ジェッツふなばし (@CHIBAJETS) March 21, 2018
今回の企画によって、バスケファンだけでなく、多くの人に千葉ジェッツの存在を知らせることができたのではないでしょうか。RTなどの拡散によって多くの人の目に触れ、多くの人がフォロワーになってくれる。そこに対して島田社長も原選手もツイートをすることで、メッセージを届けることも、自分の考えを届けることも、千葉ジェッツのことを届けることもできるのです。
千葉ジェッツはBリーグのチームの中でも随一のSNS運用をされているチームで、今回の取り組みによってさらにファン獲得に繋がったのではないでしょうか。
スポーツマーケティングの事例
ここからはSNSに限らず、スポーツマーケティングの事例を紹介していこうと思います。
- MLB ロサンゼルス・エンゼルス
- プロ野球 中日ドラゴンズ
- NBA ロサンゼルス・レイカーズ
それではどうぞ!
MLB ロサンゼルス・エンゼルス
まず紹介するのは、MLB(Major League Baseball)のロサンゼルス・エンゼルス。2018年オフシーズンに、日本球界の宝とも言える大谷翔平選手を獲得しました。
先日、ピッチャーとしては2連勝を飾り、バッターとしては3戦連続ホームラン、走者一掃のタイムリー3ベースを放つなど活躍を続け、4/2~4/8のアメリカンリーグの週間MVPを獲得しましたね。これは日本人選手としては最年少最速の記録。
そんな大谷選手の効果もあってか、エンゼルスとの試合のチケットは高騰。一部報道によると、チケット1枚¥25,000を超えるケースもあったとのこと!(海外のプロスポーツは対戦カードや時期によってチケットの価格が変動するので、この事態になった。)
メジャーリーグが開幕する3月終わりはまだアメリカの学校などは休暇に入っていません。本拠地のある地域にもよるのですが、開幕後も寒さが残り春先の観戦を控えるファンは少なくないようです。(4月15日に大谷選手が登板する予定だった試合も氷点下1℃を記録。試合は中止になった。)
しかしながら、大谷選手フィーバーの影響で例年よりも観客動員数は増えているとのこと。日本からのファンは、現地在住の日本人が大谷選手目当てに訪れることももちろんあるようですね。
大谷選手の移籍金は22億7000万円とそこまで高くはないものの、一部報道によれば経済効果は200億円を超えると言われており、ベーブ・ルース以来となる二刀流の獲得によってエンゼルスもMLBもウハウハといった感じ。
プロ野球 中日ドラゴンズ
続いては、日本のプロ野球中日ドラゴンズ。ここ最近はBクラス(4位以下)に低迷しているドラゴンズ。オフシーズンには日本球界を盛り上げてくれました。
その要因となったのは、平成の怪物「松坂大輔」選手の獲得。
過去在籍していた西武ライオンズでも、MLBのボストン・レッドソックスでも輝かしい実績を残してきた松坂選手。最近は成績不振にあえいでおり、2017年のシーズン終了と同時にソフトバンクを退団。次なる所属先を探している時に中日の入団テストをパス。年俸はソフトバンク時代よりも3億8500万円ダウンとなる1500万円+出来高。なんとか移籍先を見つけることができました。
松坂選手に関しては、現在では「もう無理だろう」という意見も多く聞かれる中なぜ中日は彼を獲得したのでしょうか?
その1つに、経済効果が挙げられると僕は考えています。
毎年2月に行われる各球団のキャンプ。今年中日は沖縄県・北谷でキャンプを行いました。その時のグッズ販売の収支が確定。詳細は非公開なのですが、松坂選手のグッズ販売額は平均的な選手の15倍にもなったそう。「沖縄限定のサポーターズユニフォーム」(¥6,000)や「応援タオル」(¥2,000)などは再販に次ぐ再販で、「松坂のタオルだけで5回の再注文をかけた」と担当者は話し、嬉しい悲鳴をあげました。
また、楽天戦が行われた3/3、3/4のナゴヤドームでの試合でも、松坂選手のユニフォームはほぼ完売。グッズ販売を開始してから約1ヶ月で売上自体は彼の年俸の1500万円を大きく超えたのです。
球団側としてはそれだけでも嬉しいですよね。松坂選手を獲得したことで経済効果が見込める。ここで生まれた資金を元手にクラブ設備を改築してもいいし、新たな選手の補強資金に充てることもできる。
もちろん「ビジネス」的な観点だけでなく、戦力として球団に迎え入れたことは間違いないはずですが、こうして球団に恩恵をもたらしてくれる松坂選手の獲得は、少なからずマーケティングの要素もあったのではないでしょうか。
NBA ロサンゼルス・レイカーズ
続いては、NBAのロサンゼルス・レイカーズ。僕が最も愛してやまないチームです。4月11日のロサンゼルスダービーを最後に17-18シーズンを終えました。そんなレイカーズは、シーズン最後の2試合にとっておきのサプライズを持ってきたのです。
NBAには下部リーグとなるGリーグというものが存在します。そのGリーグのチームに10年間も所属し続け、NBAと言う名のトップリーグでプレイすることを夢に見ていた1人の男がいました。その名はアンドレ・イングラム。全くの無名選手でNBAファンでも知っている人はほぼいません。しかし、リーグ最後の2試合で彼は世界中に名前を轟かせることになるのです。
詳しい内容に関しては以下の記事をご覧いただきたいなと思います。
この契約によってアンドレ・イングラム自身はGリーグの年俸のうちの半分を稼いだことになります。
Andre Ingram making $13,824 for two days’ work for the Lakers. D-League salary for the entire year is $26,000.
— Larry Coon (@LarryCoon) 2018年4月11日
このツイートを参照していただければわかるかと思います。球団側はこの契約金を払ってでも彼をトップチームに迎え入れたのには訳がありました。
レイカーズはこの試合が始まる前からプレイオフの不出場が決まっており、実質この試合は消化試合。しかも、若手のホープ、ロンゾ・ボール、カイル・クズマ、ブランドン・イングラムや、点取り屋アイザイア・トーマスを怪我で欠き、客足が遠のくことは明白でした。
ちょうどこの時期はMLBが開幕したばかりということもあって、ロサンゼルスのドジャースやエンゼルスの試合に流れてしまうことも考えられました。
なんとかその観客達の足をステイプルズ・センター(レイカーズのホーム)に向かわせるための一手が必要でした。その時に白羽の矢が立ったのがアンドレ・イングラム。
彼は10年間レイカーズの傘下のチームで頑張ってきた苦労人で、なんとかその想いを叶えてあげたいということもあったでしょう。アメリカの人たちは、そのような選手・人を暖かく迎え入れるだけの心の豊かさを持っています。その心に語りかけることにもなったのがこの契約でした。
現実的に見ても、実はレイカーズは負傷離脱で多くの選手が欠けていて、イングラムのポジションの選手もいなかったため、契約を結んだことは納得なのです。
選手、球団どちらにとっても嬉しい2試合がありました。
まとめ
今回の記事ではスポーツマーケティングの事例に主に触れてきました。いわゆる有名どころのチームやスポーツ以外も取り上げたつもりなので、新しい情報を手に入れることができたのではないでしょうか?
僕としてはアンコールタイガーFCのLINEグループに入るのは本当にオススメします!情報収集という意味でも勉強という意味でも。
ぜひこの記事を通して、スポーツに関連したマーケティング活動や仕事をすることに、今よりも意欲的になってもらえたら幸いです。