ライターという職業を知っている方はいても、ライターとはいったい何かをはっきりと答えられる方は少ないことでしょう。
「たぶん、取材をして文を書くのだろう」という漠然としたイメージがあるのがライターという職業ですよね。
実は、近年は副業としてライターになる方も増えており、ますます身近な存在になっている職種なんです。取材やインタビューの内容を記事化することもありますが、それだけでなく仕事の内容も多岐に渡ります。
今回の記事では、いったいライターとはどのような職業なのか、そしてどのようなスキルや資格が求められるのかをご紹介します。
- ライターとはどのような仕事なのか
- ライターにはどのような分類があるのか
- ライターに必要なスキルとは何なのか
- Webライターにおすすめの資格とは
ライターの仕事内容とは?
ライターは、一般的には編集者などから依頼された条件に従って文章を書くことが仕事です。商品のレビューや紹介文、webメディアに掲載するための記事など、文章を書く仕事全般を「ライター」と言います。
依頼された条件の記事を仕上げるために、自身で取材をしたり資料から情報収集をしたりする必要もあるため、単純に記事を書く能力だけではなく、情報処理能力も求められます。
取材・執筆する内容は、当然ながら依頼主によっても、掲載される媒体の専門性によっても、左右されます。例えば、旅行系のサイトなら、旅行や観光地に関する記事を執筆する、という形です。
最近では「Web媒体に掲載するための記事」の仕事が増えており、法人が運営するメディアから、個人が運営するブログまで、様々なところでライターとして仕事ができるようになっています。
混同しやすい「ブロガー」と「ライター」とでは、仕事内容は大きく異なります。web+では、ライターは「自分以外のWebメディアで記事を書いて、記事を書くことでお金をもらう人」と定義しています。
ライターの形態とは?
続いて、ライターにはどのような形態があるのかを見ていきましょう。ライターは、主に以下2つに大別されます。
- 専属ライター
- フリーライター
両者がどのように違うのか、簡単にご紹介します。
専属ライター
その名の通り、会社や団体の専属としてライターの仕事をします。ですので、所属している会社や団体が運営する媒体で記事を執筆するのが基本です。
契約内容によっては、他社の運営する媒体で記事が書けなかったり、コンテストに応募ができなかったりというデメリットも存在しますが、仕事を継続的に任せてもらえるケースもあるのでこの点は1つのメリットと言えるでしょう。
フリーライター
一方フリーライターは、その名の通りどこの企業・団体にも属さずに、フリーの状態で仕事を行います。
フリーランスとしてライターをしている方も、副業としてライターをしている方も「フリーライター」となるでしょう。
フリーライターの場合、契約内容によっては「〇〇記事執筆したら、契約終了」などのケースがあるため、継続的に仕事ができないというデメリットがあります。
一方で、様々な媒体で記事の執筆ができるため、仕事をしながら知見を広げられるというのは1つの大きなメリットです。
「ライター」自体の需要が高まっている
契約形態や自由度は異なりますが、基本的には専属ライターであってもフリーライターであっても、執筆をする媒体は同じです。
- 紙媒体 :書籍、雑誌、フリーペーパーなど
- Web媒体:ニュースサイト、企業のオウンドメディア、個人のブログなど
Webの普及によって、Webメディアが増えた現在は、ライターの需要が非常に高くなっています。
需要が高まってきている背景もあり、「ライターの数=供給」自体も多くなってきているので、ライバルは多い世界だと言えるでしょう。
ちなみに、自分が運営するWebメディア以外で記事を執筆することもあるジャーナリストとライターも、仕事内容や求められることは異なります。
ジャーナリストは主観的意見や自分の主張を押し出した文章を書くことが求められますが、ライターは、どちらかというと客観的意見やクライアントの意図・構成の通りに文章を書くのが一般的です。(※当然、ライターが主観的意見を求められるケースもあります。)
ライターに必要なスキルとは?
続いて、ライターにはどんなスキルが必要なのかを紹介していきます。
編集の知識があったり、Webデザインを作成できたり、写真が撮れたりすると仕事の幅が広がることは間違いありません。ただ、これらのスキルは「プラスアルファ」と考えておきましょう。
仮に、Webデザインの作成ができたりプロ並みの写真が撮れたりするのだとしても、ライターとして文章を書くスキルがなければ、仕事は任せてもらえないでしょう。
この章では、「記事を書く」ライターが身につけておくべき必要不可欠な3つのスキルをご紹介します。
正しい言葉の使い方ができること
誤字をしてしまったり慣用句の使いどきを間違ってしまったりと、正しい言葉の使い方ができなければ、編集者側だけではなく読者からも信頼を得られなくなる可能性があります。
ライターが書く記事は、読者のために存在しますから、誤字をしてしまったり慣用句の使いどきを間違ってしまったりすると、記事が読者のためにならない場合も考えられます。
ですので、「正しい言葉が使える能力」はライターならば最低限求められる力です。
読みやすい文章が書けること
記事は「ただ書けばいい」だけのものではありません。
先述したように、読者のために存在するわけですから、依頼通りにただ書けば良いわけではなく、読んだ人が理解できるように工夫して書かなくてはいけません。
例えば難しい漢字をひらがなにしたり、行間を適度に開けてスペースを確保したりして、読みやすい文章を書くというスキルが求められます。
正しい情報を見抜けること
当然、記事内の情報には正確さが求められます。Webの発達によりWeb媒体への執筆が、ライターの仕事として増えてきていることはご紹介しました。
その際、「インターネット」にて情報収集をする機会が多くなりますが、インターネットから得た情報がいつも正しいとは限りません。
推測で書かれた記事や、個人の主観しか入っていない記事も存在しますから、やみくもに調べた情報だけを使って書くのではなく、自身の目で真偽をしっかり見極める必要があります。
ライターの報酬はどのくらい?
続いては、ライターがどのくらいの報酬を得られるのかを紹介していきます。
ライターの報酬は、基本的には「文字単価」が基準です。また、1記事あたりの最低文字数にも規定があるケースがほとんどですから、以下のような計算式で報酬が割り出されます。
文字単価 × 規定文字数 = 報酬
例えば、2000文字の記事を書いてほしいという依頼の文字単価が「¥0.5」であった場合、1記事当たりの報酬は「2,000文字 × ¥0.5 = ¥1000」となります。
規定となる文字数は依頼主によって異なり、500文字〜1万文字など、様々です。一般的な文字単価の相場は¥1ほどで、専門的な知識を必要とするものは単価が高くなります。
文字単価に関する詳しい内容は、「ライターが知っておくべき「文字単価」に関する基本知識まとめ。」を併せてご覧ください。
ライターになることのメリットとは?2つを紹介!
ここからは、ライターになるにあたっての「メリット」と「デメリット」をご紹介します。まずは、メリットを2つご紹介します。
仕事の自由度が高い
ライターの仕事はパソコン1台だけあれば仕事ができてしまうため、仕事の自由度はかなり高くなります。特に時間や場所に縛られずに稼ぐことができるようになります。
特にWebライターはインターネットに接続できる環境があれば場所を選びませんから、仕事をしながらの副業としても優秀です。
スキルを高めて自分で稼げるスキルが身につけば、家でもカフェでも好きな場所が仕事場になる生活ができます。満員電車に乗るのが耐えられない方、できるだけ外に出たくないという方にもおすすめです。
SEO対策や編集などのスキルが身に付く
文章を書くこと自体は誰でもできますし、誰もがやることですが、こと「ライター」ともなると、必ずしも多くの人が経験しているとは限りません。
多くの人が経験しているわけではないとなれば、当然他の人が持ち合わせていないスキルを身に着けることができるというのが、1つの大きなメリットです。
例えば、SEO対策や編集・マーケティングに関する知識はもちろんのこと、多くの分野の執筆をしていれば、執筆した業界の専門知識も得られるでしょう。
時間を費やした分だけ、経験がスキルや知識として身につく、非常にリターンの大きい仕事です。
ライターになることのデメリットとは?2つを紹介!
メリットに続いて、デメリットも紹介します。
ライターは軽視されがち
ライターという仕事は、言ってしまえば「日本語で記事を書く」仕事なので、軽視されがちなのが実情です。報酬額などからも、その「軽視されがち」なイメージも見え隠れしています。
例えば「編集」だとか「エンジニア」「デザイナー」などは、「スキルを持っていなければできない仕事」というようなイメージを持たれていますが、一方で「ライター」は「誰もができる仕事」と思われてしまうのです。
そのように「軽視する」人たちは、ライターにはスキルなど必要ないと思っているのかもしれませんが、先述した「3つのスキル」をはじめとして、ライターにもスキルは必要です。
ただ、スキルが必要であることがなかなか外の人たちには見えない、からこそ軽視されてしまうのです。
なかなか収入が安定しない・初めのうちは低賃金になりやすい
そして収入が安定しない・初めのうちは低賃金になりやすいなど、「稼ぎにくい」というのも、ライターのデメリットの1つです。
書けば書くだけライターは稼ぐことができるのですが、必ずしも継続して「仕事を任せてもらえる」「仕事を獲得できる」とも限りませんし、初心者向けの仕事の場合は低い単価が設定されがちです。
あくまでも「初心者向け」の仕事の場合であり、専門的な知識を要する分野や中級者・上級者向けの案件ともなると、高単価になります。
「毎月同じ給料」をもらえるわけではなく、基本的には「書いた記事分の報酬」をもらうという形のため、月によって執筆数に変動がある場合には稼ぎも変動します。
ライターは転職にも役立つ!
先述したように、ライターをやれば様々なスキルが身につきますから、そのスキルを活用すれば転職にも役立ちます。
例えば自身のノウハウを活かしてWebマーケティング会社に就職したり、Webメディアを運営している企業に専属ライターとして起用されたり、転職で選べる業界や企業の幅を広げることにも繋がります。
近年ではWebサイト運営を行なう企業が非常に多くなってきていますし、ライティングのスキルだけではなくWebマーケティングのスキルを持つ人材も引く手数多です。
フリーランスとしてライターになることもできますが、IT業界以外の企業への就職も、十分に視野に入れることができるのです。
ライターは未経験でも始められる?
「未経験だけど、できるのかどうか」を気にする人もいるかもしれませんが、あなたは未経験ではありません。だって、今までの人生の中で文章を書くということは数多く経験しているのですから!
まずは、誤った表現にならないように気をつけたり、誤字脱字のないように書いたりできるだけでも、大きなアドバンテージです。
ライターとしての経験を積んでいけば、読みやすく書いたり正しい情報の取捨選択をしたりすることも、自然とできるようになっていきます。あなたの能力はどんどんと磨かれていくのです。
これから本格的にライターとして活動をしていきたいのであれば、クラウドソーシングサイトを活用するなどして、実際に仕事を獲得してみましょう。
詳しいクラウドソーシングサイトの活用方法や仕事獲得方法については、「ライターの仕事初めはクラウドソーシングから!おすすめ4選まとめ」を併せてご覧ください。
ライターにおすすめの資格とは?
ライターになるに当たって、これといった資格は必要ありません。とはいえ、自身のスキルや専門知識がモノをいうライターにとって、特定の資格は取得すると有利になる可能性があります。
また、資格を取得しておけばそれがあなたの自信に繋がって、早い段階から、専門知識が必要な案件や中級者・上級者向けの案件へと挑戦できるようになるでしょう。
有名な資格としては「WEBライティング技能検定」や「WEBライティング能力検定」の受講がおすすめです。(※この2つの検定は、全くの別物です。)
ライターにとって、取得しておくことで役に立つ資格については「フリーライターに資格は必要?仕事や収入を増やすために取っておくべき資格8選」にまとめていますので、こちらも併せてご覧ください。
おわりに
今回はライターの仕事内容をはじめ、ライターがどのような仕事なのか、ライターに必要な3つのスキルなどを紹介しました。
ライターは文章スキルだけではなくWebマーケティングのスキル、正しい情報を取捨選択するスキルも身に着けることができます。
Web媒体へ記事を寄稿するライターともなれば、パソコンとインターネット環境があればどこでも仕事ができるというのが、とても大きなメリットの1つです。
あなたが望むライフスタイルを手に入れるに当たって、「ライターが良さそう」と思ったら、ぜひ一歩踏み出してみてください。