この記事では「VOD おすすめ」というキーワードを例に挙げて、リサーチをする際のポイントや手順を包み隠さず公開します。
- 読者が何を求めているのかが分からない…
- 上位の記事を参考にすると、コピペっぽくなってしまう…
- 一応、読者のニーズを考えているけど手応えがない…
ライティング初心者が陥りがちなこういった悩みは、この記事で全て解決します。
ぜひ最後まで記事を読んで、プロのライターのリサーチ手順、ニーズを深掘りする方法を手に入れてください。
VOD:ビデオオンデマンド(Video On Demand)の略。いつでも好きな時に、スマホやタブレット等で配信されている動画を見ることができるサービス。
有名なサービスとしては、Netflix(ネットフリックス)やAmazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)など。
記事を書く時のリサーチ手順【全体像】
最初に、ライティングする時の基本的なリサーチ手順を、サクッとおさらいしておきましょう。人によって多少やり方は変わるでしょうが、大まかな流れは以下の通りです。
- 狙うキーワードの検索意図を自分なりに予測
- 検索上位の記事をリサーチして、予測とのずれを修正する
- 読者の検索意図などを把握する
- 検索意図を深掘りする
- 記事執筆に必要な情報をリサーチする
リサーチのより具体的なやり方や、リサーチ時間を短縮する方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
では、次の見出しからは「VOD おすすめ」というキーワードで記事を書く場合を例に、リサーチのやり方をステップ形式で紹介していきます。
Step1:「VOD おすすめ」で検索をする読者を想像する
リサーチを行う前に、「VOD おすすめ」で検索をかける読者が「どんな情報を求めているのか(=検索意図)」を推測します。
今回のキーワードでいえば「VOD」というキーワードを使って検索していることから、すでにVODがどういうものかは知っていると推測できます。
その上で、自分に合ったVODサービスを探しており、気に入ったサービスがあればすぐに登録する気もあると考えて良いでしょう。
これらの推測をベースに考えると、記事の内容は以下のような大枠にすると良いと考えられます。
- 「VOD」という言葉の意味は知っていると考えられるので「VODとは?」という見出しは必要なし。
- 自分に合ったVODを探していると考えられるので、料金や作品数などの特徴に焦点を当てて、複数のVODサービスを紹介する必要がある。
- 気に入ったものがあればそのまま登録する可能性が高いので、紹介する各VODサービスの申し込みページへのリンクを設置する。
これで、記事の大まかな構成(見出し構成)については、方向性が定まりました。ですが、ここで考えた検索意図はあくまで「自分の推測」でしかありません。
そこで、ここで考えた推測が本当に正しいのかどうかを確かめる必要があります。
Step2:「VOD おすすめ」で検索。上位10記事をリサーチ
Step1で考えた検索意図が本当に正しいのかどうかを確かめるために、実際に「VOD おすすめ」で検索をして、上位記事の内容をチェックします。
上位10記事をチェックすると、大まかには以下のような内容が書かれていることが多いことが分かりました。(2021年5月執筆時点でのリサーチ結果)
- VODとは?
- VODの魅力
- VODサービスを選ぶ際のポイント
- おすすめのVODサービス
Step1で推測した記事構成と比べてみると「VODとは?」という見出しが入っている記事が多いという点で、予測とズレがありますね。
ここで上位記事の見出しを信じて「VODとは?」という見出しを入れるか、自分の直感を信じて「VODとは?」の見出しを省くかは、執筆者次第です。
ちなみに僕の場合は「VODとは?」という見出しは入れません。個人的には「読者の知りたいことを最優先に伝える」ことが大切だと考えています。
なので無駄な前置きは省き、このキーワードであれば、いきなりおすすめのVOD紹介から執筆を始めます。
「VOD おすすめ」と検索する人は「VODとは何か」という情報と「おすすめのVOD」という情報のどちらを求めているでょうか?
100人に聞いたら98人くらいは、後者の情報を求めていると答えるでしょう。
なので、読者がより知りたい内容。今回のキーワードでいえば「おすすめのVODの紹介」を最優先に紹介するというのが、僕の考え方です。
ただライティングを始めたばかりの人は、ここら辺の勘が備わっていないことも多いので、上位記事の見出し構成を重視して記事構成を考えるのもありです。
Step3:リサーチをもとに読者のニーズを書き出す
Step1と2を経て、読者が求めていることが浮かび上がってきたことでしょう。ただ、頭の中で思い浮かべるだけだと、記事を書いているうちに、読者のニーズがおぼろげになってしまいます。
そこで、ここまでのリサーチ結果をもとに、読者のニーズを紙などの「目に見える形」で書き出しましょう。
なお、web+の場合は基本的に以下の3つの内容を「読者のニーズ」として、明文化します。
- 検索意図
- 記事を読む前の読者の状態
- 記事を読んだあとの読者の状態
「VOD おすすめ」の記事であれば、以下のような読者のニーズになるでしょう。
- 検索意図:おすすめのVODを知りたい
- 記事を読む前の読者の状態:VODにたくさんの種類があることは知っているが、その中でどのサービスを選べばいいのかで迷っている
- 記事を読んだあとの読者の状態:自分に合うVODサービスを知ることができた。そのVODサービスに申し込んだ。
Step4:検索意図を深掘りする
Step3で検索意図などのニーズを書き出しましたが、実は一言で検索意図と言っても「浅い検索意図」もあれば「深い検索意図」もあります。
当然、深い検索意図を把握できた方が、より読者に響く記事にすることができます。検索意図を深掘りするには「なぜ」という言葉を使うのがオススメです。
- おすすめのVODを知りたい:それはなぜ?
- 今話題のドラマをできるだけ低コストで見たい:それはなぜ?
- 友達との会話についていきたいから
これはあくまで一例ですが、このように「なぜ」と繰り返し問いかけることで、より深い読者のニーズを探り当てることができます。
単に「おすすめのVODを紹介します」と書くよりも「友達との話題に入れるドラマを低価格で視聴できるVODサービスを紹介します」と書いた方が「読んでみよう」という気になるのではないでしょうか?
実はこの「検索意図の深さ」が、ライティングが上手い人とそこそこな人の大きな違いです。ここが「差がつくポイント」なので、ぜひ次の記事を書く時に使ってみてください。
上位記事をリサーチする際のワンポイント
先ほど、検索上位の記事を参考にするというリサーチ手順の紹介をしました。
そこでよく質問されるのが「検索上位の記事を参考にすると、どうしても記事の内容がコピーっぽくなってしまう」というお悩みです。
たしかに上位記事の内容をじっくり読んでいると、自分が書く記事もどうしても上位記事の内容に引っ張られてしまいますよね。
この悩みは「上位記事のリード文と見出し構成だけを参考にする」ことで解決できます。つまり「上位記事がどんなことを書いているか」ではなく「どんな見出し構成にしているか」に焦点を当てるのです。
このように見出し構成にのみ焦点を絞ってリサーチをすれば、本文は自分で作る必要があるので、上位記事の内容に引っ張られることはなくなりますよ。
記事の内容についてのリサーチを行う
ここまでリサーチしてきたのは、読者のニーズを把握するためのリサーチです。質の高い記事を書くにあたって、最重要な部分ですね。
ですが、記事を書く時はもう一つ。「記事の内容についてのリサーチ」も同時に行う必要があります。
たとえば、おすすめのVODを紹介するためには「世の中にある評判の良いVODサービス」を調べる必要がありますよね。また詳しく紹介するなら、料金や主な配信タイトル、無料期間といった情報も調べる必要があるでしょう。
記事を書くにあたって「正しい情報」を記載するのは、書き手の義務です。誤った情報を記載して信用を失わないためにも、少しでも不安な情報は徹底的に裏を取りましょう。
記事の内容に関するリサーチをする際は、できるだけ「一次情報」に当たることが大切です。
たとえば、VODサービスのランキングを紹介しているページはたくさんあるので、そこの情報をまとめて持ってきた方が楽ですよね。
ですが、参照元の記事自体に誤りがあったり、古い情報で現在のサービスと値段が違っていたりする可能性もあります。なので、多少手間をかけてでも、紹介するVODサービスそれぞれの「公式ページ」から情報を拾ってくるのが望ましいですね。
自分の手間を惜しんで、読者に誤った情報を与える(可能性がある)のは、書き手として最低の行為です。
Twitterなどで利用者の声を集める
「VOD おすすめ」のように複数のサービスを紹介する記事を見る読者は「他の利用者の声」が気になる人も多いです。
なので、僕が「VOD おすすめ」の記事を書く場合は、Twitterなどで各種VODサービスの口コミも集めます。
その際、そのVODサービスを称賛している声だけでなく、デメリットについて触れている投稿があればそれも合わせて掲載すると、より客観的で信頼できる記事という印象になりますよ。
「VOD おすすめ」の記事執筆時のリサーチ手順 まとめ
今回は「VOD おすすめ」というキーワードを題材に、リサーチのやり方を紹介しました。最後にもう一度整理しましょう。
- 狙うキーワードの検索意図を自分なりに予測
- 検索上位の記事をリサーチして、予測とのずれを修正する
- 読者の検索意図などを把握する
- 検索意図を深掘りする
- 記事執筆に必要な情報をリサーチする
VODの紹介に限らず「〇〇 おすすめ」というキーワードは、いろんな用語と組み合わせることができる汎用性の高いキーワードです。
今回紹介した手順は、色々なキーワードに応用することができるので、リサーチの一つの型としてストックしておくと良いでしょう。