「記事を書いているうちに、話がどんどん逸れてしまう」
「手が止まることが多くて、ライティングにすごく時間がかかる…」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ今回の記事を最後まで読んでみてください。
この記事では、3,000文字程度の記事を1〜2時間で書き上げる私が実践している、記事の執筆手順をまるっと公開しています。
実は、ちょっと記事を作る際の手順を工夫するだけで、格段に読みやすい記事が短時間で書けるようになるのです。
手順にさえ従えば、この記事を読み終わった瞬間から実践できる内容なので、読むだけでなく実際に試してみてくださいね!
プロのWebライターが記事を書くときの執筆手順
効率的に執筆するための手順を覚えて、その通りに記事を書く。このたった一工夫で、最初から最後まで話の内容が一貫した読みやすい記事を、短時間で書き上げることができるようになります。
たとえば、記事を書いているうちに話が逸れてしまう原因は、見出し(アウトライン)を作らずに、いきなり書き始めようとするからです。
執筆に時間がかかる一番の原因は「次に何を書こうか」と考えて、頻繁に手が止まるからです。
こういった問題は、これから紹介する執筆手順に従うことで解決することができますよ。
- キーワード選定
- リサーチ
- 見出しの作成
- 本文の箇条書き
- 本文の清書
- 記事のまとめ
- リード文
- 記事タイトル
- 画像挿入、文字装飾
- 見直し
それぞれのステップのポイントや注意事項については、次の章から具体的に解説していきます。
記事の執筆手順1:キーワード選定
読者の大半は、Googleなどの検索エンジンでキーワード検索をして、あなたの記事を訪れます。よって、最初にどんなキーワードからの流入を狙うのかを決める必要があるのです。
ただし、ライターとして仕事をする場合は、事前に依頼者がキーワード選定を済ませている場合も多いです。その場合は、依頼者から指定されたキーワードに沿って執筆します。
キーワード選定の話を始めると、それだけで1記事になってしまうので、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
記事の執筆手順2:下調べとしてのリサーチ
記事を書くときは、文章を書き始める前に必ずリサーチ(情報収集)を行うことが必須です。
なぜなら、記事を最後まで読んでもらうためには、自分が伝えたいことではなく、読者が知りたいことを書く必要があるから。
自分の記事を読んでくれる読者について把握することが欠かせないというわけですね。
また、記事を書くにあたっての最低限の情報収集も欠かせません。
このように、リサーチは目的によって2つの種類に分けられます。
- 読者を知るためのリサーチ
- 執筆に必要な情報を集めるためのリサーチ
読者を知るためのリサーチ
読者を知るためのリサーチの代表例は「検索意図」です。検索意図とは、読者が検索結果に求めているもののことです。
たとえば「渋谷 ホテル ランチ」というキーワードで検索する読者は「ランチが食べられる渋谷のホテルを知りたい」と思っていることが推測できます。これが検索意図です。
検索意図を把握するためには、自分が狙うキーワードの検索上位10記事(1ページ目)を参考にするのが良いでしょう。
すでに上位表示されている記事というのは、いわばGoogleが「この記事は質が高い(=検索意図を満たしている)」と認めた記事。なので、上位記事を読めば、読者が何を期待しているのかを把握することができます。
執筆に必要な情報を集めるためのリサーチ
ライティングの仕事をしていると、自分があまり知らないジャンルの記事を書かなければいけないこともあります。その際は、読者を知るためのリサーチに加えて、執筆に必要な情報を集めるためのリサーチも同時並行で行います。
たとえば「日本でTwitterを使っている人は〇万人です。」という文章を書く時に、ぱっと数字を書き込める人は少ないでしょう。
ほとんどの人は「Twitter 日本 利用者」などで検索して、そこで調べた情報をもとに「〜使っている人は4,500万人です。」と文章を完成させるはずです。
記事に誤った情報を書いてしまうと信用が一瞬でなくなるので、丁寧に「正確な情報」を集めるリサーチも必ず行いましょう。
記事の執筆手順3:骨組みとなる見出しの作成
リサーチを終えたら、いよいよ文章を書くステップに入ります。しかし、いきなり書き始めるのではなく、先に記事全体の設計図。つまり、見出しの作成を行いましょう。(下図はイメージ)
見出しを作らずに、ただ上から文章を書き始めると、かなりの確率で途中で話が脱線します。また、次に何を書こうかなと悩んでは手が止まるので、1記事を仕上げるのにとても時間がかかってしまうのです。
見出しを作るだけでも「最初にこの話をして次に〜」と記事全体の流れが見えるようになり、最初から最後まで一貫して芯の通った記事が書けるようになります。
見出しを作る際のコツは、もったいぶらずに読者の知りたいことを最初に書くこと。たとえばこの記事の場合、読者が知りたいのは「具体的な執筆手順」なので、無駄な前置きは入れずに最初の見出しから記事の執筆手順についての話をしています。
これがもし「執筆手順を知るべき理由とは?」のような前置き話から始まっていたら「勿体ぶらずにさっさと本題に入ってよ」とイライラする記事になっていることでしょう。
記事の執筆手順4:各見出しの本文を箇条書きにする
見出しを作っていると、同時並行で「この見出しでは大体このような内容の文章を書こう」といったイメージが湧いてくるはずです。
そこで、見出しを作り終えたら各見出しごとに「本文の内容を箇条書き」にしておきます。(下図のイメージ)
頭の中で「こんな流れで本文を書こう」と思っても、いざ書いてみると話の展開があべこべになったり、論理がおかしくなったりして、うまくいかないことが多いです。
箇条書きでもいいので実際に書き出しておくことで、話の流れに違和感がないかなどがはっきりと分かるようになります。
また、後述の清書というパートがあることで、クオリティを気にせず思いつきでどんどん箇条書きを書くことができ、より良いアイデアや工夫が生まれることもあります。
ライティングのスピードが遅くなる原因の一つは、最初から良い文章を書かなければというプレッシャーで手が止まること。雑な箇条書きという下書きを挟むことで、完璧主義から抜け出せますよ。
記事の執筆手順5:箇条書きを清書して本文を執筆
ここまできたら、執筆手順4で書き出した箇条書きをもとに、記事として読める文章になるように清書していきます。
大まかな文章の流れは箇条書きの段階ですでに完成しているので、読みやすい文章に直すことだけに集中できるでしょう。
ライティングと聞くと、文章を一から作るというイメージが強いですが、正確には組み合わせるイメージに近いです。
プラモデルでいうバラバラのパーツが、手順4の箇条書き。そのパーツを組み合わせて、完成形に近づけていくのがこの清書というステップになります。
記事の執筆手順6:「記事のまとめ」見出しを作る
一通り記事を書き終えたら、最後に「まとめ」の見出しを加えます。(まとめの「見出し」だけは、見出し作成の時に一緒に作ることも多いです。)
記事全体のまとめとなるので、記事の本文を書き終えてから手がける事になります。
読者の中には結論だけを知りたいと考えて、いきなり記事の一番下から読む人もいます。なぜなら、一般的に記事の多くは記事の最後にまとめ(その記事のポイントの要約)があると知っているから。
そのため、記事で伝えたいことを書いてお終いにするのではなく、最後に記事全体の要約となる見出しを加えましょう。
また、まとめという締めを入れることで話がスッキリと終わり、読者に満足感を与える効果もありますよ。
記事の執筆手順7:読者を逃さないリード文を作る
一通り記事を完成させた後に、リード文を作成します。
※リード文:記事冒頭の文章。読者に興味を持ってもらい、記事本文へ誘導する役割を持つ。
記事の冒頭の文章なので、最初の方に書きたくなります。ですが、記事本文を完成させた後に「その文章に興味を持ってもらうにはどのような伝え方をすればいいか」を考えた方が、読者に興味を持ってもらえるリード文を作ることができるのです。
たとえば、この記事では記事の執筆手順を10ステップで紹介していますが、最初にリード文を作ってしまうとその時点ではいくつのステップになるか分からないので「いくつかのステップで紹介」のような曖昧な書き方しかできません。
リード文は必ず、本文を書き終えた後に書きましょう。また、リード文で興味を引けないと、その先の本文は1文字も読んでもらえないので、たかが数行と侮らずに全力を尽くしてください。
記事の執筆手順8:命をかけて記事タイトルを作る
リード文も含めて記事の中身が完成したら、最後に記事タイトルに着手します。
読者は最初に記事タイトルを見て、面白そうだと思った時に初めて記事を読んでくれます。つまり、記事タイトルがつまらないと、頑張って書いた記事も意味がなくなってしまうのです。
その記事にどんな内容が書いてあるのかを伝えつつ、読者の関心をぎゅっと掴みむのが記事タイトルの役目。そのためにも記事を書き終えた後に、その記事の目玉ポイントを記事タイトルにも盛り込むべきですね。
記事を一通り完成させた後に、全力で読者の興味を引きつける記事タイトルを作って、多くの人に自分が書いた記事を読んでもらいましょう。
記事の執筆手順9:画像の挿入、文字装飾などでデザインを整える
記事が完成したら、次はその記事をより読みやすくするために、画像の挿入や文字装飾といったデザインを手掛けます。
記事のデザインは、そのメディアの性質やクライアントの意向によって様々なので、執筆するメディアのルールに従うのが鉄則です。
ただ、読者の立場として見た時に、画像が全く無く、文字も黒一色の記事はどうしても読みづらさを感じてしまいます。
デザインに時間をかけすぎるのは本末転倒ですが、多少の画像を入れたり、文字装飾をしたりした方が、見た目的に読みやすい記事になりますよ。
記事の執筆手順10:記事のクオリティは「見直し」で決まる!
「本文を書き、リード文や記事タイトルを作り、デザインも仕上げた。やった、これで完成だ!」とテンションが上がるのはとてもよく分かります。ですが、最後にもう一工夫加えると、より質の高い記事になります。
その工夫が「記事の見直し」です。それなりのクオリティの記事であれば、少なくとも2,000文字くらいにはなっていることが多いでしょう。
仮に0.1%の確率で誤字脱字があるとしても、1記事中に2つは誤字脱字が存在することになります。つまり、見直しをしていない記事は、ほぼ確実に誤字脱字があるということです。
その他、読みづらい文章の言い回しや、もっとこうした方が分かりやすいという改善案は、見直しをすると必ず出てきます。
誤字脱字の多い記事はそれだけで、記事全体への不信感につながることもあるのです。なので最後の一手間を惜しまずに、記事を見返して細かいミスをなくし、記事の信頼性を守りましょう。
筆者からのアドバイス:飽きに負けないこと
ここまで、短時間でクオリティの高い記事の執筆手順について紹介してきました。ですが、この手順に沿って書き続けていると、いつか必ず「飽き」が来ることを覚えておいてください。
特に記事の執筆に慣れてくると「見出しなんて作らなくても感覚でなんとかなる」「キャッチコピーを作るのが上手くなったから、タイトルから作っちゃおう」といった自己流に陥ることがあります。(僕の体験談です。)
ずっと同じことをやっていると、次第に飽きてきて手順の省略や勝手な変更をしたくなってしまう時が必ずやってくるでしょう。
ですが、今回紹介した手順以上に、記事のクオリティを高める執筆手順は存在しません。飽きてもオリジナリティに走らずに、成果が約束された手順を使い続けましょう。
記事の執筆手順 まとめ
今回は、過去に数百記事以上を執筆してきた私なりの、記事執筆手順をご紹介しました。最後にもう一度おさらいしておきます。
- キーワード選定
- リサーチ
- 見出しの作成
- 本文の箇条書き
- 本文の清書
- 記事のまとめ
- リード文
- 記事タイトル
- 画像挿入、文字装飾
- 見直し
多少の変動はあれど、この手順に従って記事を書くことで、平均時速2,000文字以上のペースでライティングができています。
実際、この記事の文字数は約5,800文字ですが、この記事の執筆にかかった時間は約2時間13分(133分)です。(リサーチ時間含む)
特に、記事を書く時に手が止まってしまい時間がかかるという人は、この手順に沿って執筆することで大幅に時間の短縮にもつながります。
本気でライティングを極めたい人は、ぜひこの10の手順を紙に書き出して、いつも目に見えるところに貼っておくと良いでしょう。