フリーランスにとって、仕事を取ってくるというのは、常につきまとう大きな課題です。ですから、仕事の取り方は初めから把握しておくべきなのです。
しかしながら、会社員としてずっと仕事を振ってもらっているだけの状態だと、どのようにして仕事を取ってくればいいかわからないというのが本音ですよね。
仕事の取り方がわからない状態でいきなりフリーランスになってしまうと、最初から仕事がない状態に陥ってしまい、勇気を持って踏み出したフリーランス生活がすぐに終わってしまうかもしれません。
本記事では、仕事を取る際に注目すべきポイントや、仕事の取り方について紹介していきますので、是非とも最後までご覧ください。
仕事を取る際に注目すべきポイントは3つ
会社員ならば上司から仕事を振られ、その仕事をこなすことで毎月決まった給料が支払われます。しかし、フリーランスは自分で仕事を見つけ、お金を稼がなければなりません。
毎月決まった分だけ仕事を見つけられるとも限りませんし、毎月安定した収入を得られるわけでもありません。
自分で自由に仕事ができる反面、自分自身で仕事を見つけてこなければならないのも特徴ですが、これまで会社勤めの状態からいきなり「自分で仕事を取る」というのはかなりハードルが高いでしょう。
ですのでまず初めに、フリーランスとして仕事を取る際に注目すべき3つのポイントについて紹介します。
- 即効性
- 収益性
- 継続性
即効性
仕事の獲得方法によって、「すぐに仕事ができる」こともあれば「今すぐではなく数ヶ月先から仕事が任される」こともあります。
自身の状況に合わせて、即効性の高い仕事を選ぶのか、即効性はないものの将来のための仕事を選ぶのかを決める必要があります。
例えば「クラウドソーシングサイト」ならば即効性が高い傾向にあるのですが、仕事を発注する相手にもよるところがあるため、一概に「この方法を使えば、確実に今すぐ仕事を任せてもらえる」とは言えません。
今すぐに見極める力を身につける必要はないので、即効性の高い仕事が取りやすい方法などを徐々に見極められるようになっていきましょう。
収益性
当然、仕事をするのはお金を稼ぐためですから、収益性が高い=お金が多くもらえる仕事をとっていきたいですよね。実際に、仕事のより方によって収益性は異なってきます。
例えば、先ほども登場した「クラウドソーシングサイト」の場合、収益性は低めです。一方で、クラウドソーシングサイトなどの仲介業者を介すことなく自分で企業などと契約をすれば、手数料などを抑えることもできますから、収益性は高くなります。
収益性の高い低いによっては、同じ金額を稼ぐとしても、収益性が高い場合には2~3本の仕事でよくなるかもしれませんが、収益性が低い場合には5~10本以上をやる必要も出てくるかもしれません。
仕事量にも影響を及ぼしてくるため、収益性の高さも十分に考慮したいポイントです。
継続性
そして、会社員時代との大きな違いの1つが「継続性」です。会社員として働いている限りは、基本的に毎月仕事を任されて、同じ給料が支払われるという形ですが、フリーランスの場合そうとは限りません。
今月は仕事があったとしても来月は仕事が0になる可能性がありますし、仕事が0になってしまえば収入も0です。フリーランスは安定性がない分、いかに継続的に仕事を獲得していくかというのが生き残る上で重要なのです。
仕事の取り方によっても継続性に違いが出てきますから、十分に考慮すべきポイントです。
フリーランスの仕事の取り方は大きく分けて3つ
実際にフリーランスとして活動している人々は、どのようにして仕事をとっているのでしょうか?仕事の取り方としては、大きく分けて3つあります。
- クラウドソーシングサイトの活用
- 企業と直接取引をする
- 仕事や取引先を知人などに紹介してもらう
次の章からは、上述した3つの仕事の取り方を詳しく紹介していきます。
なお、先ほど紹介した「即効性」「収益性」「継続性」の観点を、それぞれ3段階評価の「高・中・低」で紹介しますが、仕事の発注側によっても異なります。あくまでも参考としてご覧ください。
フリーランスの仕事の取り方①:クラウドソーシングサイトの活用
まず1つ目に紹介するのは「クラウドソーシングサイトの活用」です。
インターネット上にある、仕事をしたい人と仕事を任せたい人とをつなぐプラットフォームのことで、基本的には無料で利用可能です。
即効性
即効性の面で言うと、クラウドソーシングサイトは「高」です。
案件にもよりますが、応募をした直後に仕事を任せてもらえる場合もあり、今すぐに仕事が欲しいという人は利用すべきでしょう。
「仕事を振ってもらえる」という即効性の高さはもちろんですが、多くのクラウドソーシングサイトが報酬の「翌月払い」を行っているため、お金が手元に回ってくる即効性の高さもあります。
収益性
収益性の面で言うと、クラウドソーシングサイトは「低」です。
クラウドソーシングサイトは、比較的初心者向けの案件が多いため、安い報酬の仕事が多い点が特徴です。さらに、クラウドソーシングサイトは仲介業者なので、仲介手数料もかかってしまうのです。
安い報酬で、なおかつ仕事発注側からも受注側からも仲介手数料をもらっています。仕事発注側は無駄な払い出し(仲介手数料)を減らすために、なるべく低い単価の仕事を用意する傾向もあるでしょう。
そして、報酬を受け取る側も手数料が取られるので、結果的に安い仕事が多くなりがちなのです。
とはいえ、仲介業者であるクラウドソーシングサイトのおかげで報酬の未払いを防ぐこともできているので、収益性は高くないものの、仕事をすればお金がもらえるという安心感があります。
継続性
継続性の面で言うと、クラウドソーシングサイトは「低」です。
というのも、1つのプロジェクトだけの依頼になることが多いため、その仕事が終わると契約終了というケースが多いのです。
中には「継続案件」もあるのですが、その仕事はおおよそ単価が低いという特徴があります。
フリーランスの仕事の取り方②:企業との直接取引
続いて2つ目に紹介するのは「企業との直接取引」です。
その名の通り、仕事を発注してくれる企業(あるいは個人事業主など)と直接取引をするやり方です。(※当然契約形態によって異なります。)
即効性
即効性の面で言うと、企業との直接取引は「低」です。それもかなり低いでしょう。
というのも、企業との直接取引は簡単にできるわけではないからです。取引先の候補を探さなければなりませんし、自分自身の売り込みもしなければなりません。営業活動が必要になるというわけですね。
それに、営業をかけたとしてもなかなか契約締結に漕ぎ着けるのは容易ではありません。しっかりと信頼関係を気づく必要も出てくるでしょう。
収益性
収益性の面で言うと、企業との直接取引は「高」です。
もちろん、どの程度相手企業に価値提供をできるかにもよりますが、収益性の面では比較的高くなるでしょう。仲介業者もいないので、手数料などを払う必要もありません。
ただし、悪質な企業とつながってしまうと「給料未払い」になる可能性もあるため、最後まで気を抜くことはできません。
継続性
継続性の面で言うと、企業との直接取引は「中」です。
企業と直接取引をして、継続的に仕事を獲得していきたいのであれば、いかに信頼関係を築けるかがキーポイントとなるでしょう。
仮に最初の取引で単発の仕事になったとしても、良好な関係を築くことができていれば、すぐには無理だとしても将来的に再び仕事を任せてもらえる可能性もあります。
その業界の人とつながっておくというのはとても大事ですから、1度の取引だとしてもその先を見据えて良好な関係を築くことを意識しましょう。すると、後々思わぬところで仕事が舞い込んでくるかもしれません。
フリーランスの仕事の取り方③:知人に紹介してもらう
続いて3つ目に紹介するのは「知人に紹介してもらう」です。
この「知人」が指す言葉は、例えば職場の上司や同僚、学生時代の友達などどんな人でも当てはまります。また、将来的にはこれまで仕事を振ってくれた取引先も「知人」に当たるでしょう。
自分で獲得するだけではなく、周りの人の力を借りるというのも仕事の取り方の1つなのです。
即効性
即効性の面で言うと、知人に紹介してもらうのは「低」です。
あなたが知人に対して「仕事があれば紹介してほしい」と声をかけなければ、当然紹介してもらえることはないわけですが、仮に声をかけたとしてもその知人が紹介できる仕事・取引先があるかどうかも重要です。
「声をかければ今すぐに仕事を紹介してもらえる!」と期待しすぎるのではなく、「紹介してもらえたらいいな」程度の気持ちで知人に声をかけてみてください。
日頃からさまざまな知人に対して、「もし紹介できそうな仕事があったら教えて!」のように声をかけておくと、後々紹介してもらえるかもしれませんよ。
収益性
収益性の面で言うと、知人に紹介してもらうのは「中」です。
紹介によってあなたに回ってくる仕事は、比較的高めの報酬になるでしょう。紹介をしてくれた知人からすれば、安い仕事を紹介するとは考えにくいです。
さらに、仕事を振る側にとっては追加で報酬を払う人が増えるわけですから、ある程度金銭的余裕がないと承諾できないでしょう。このように考えると、承諾してくれた場合は金銭的な余裕があるとも言えます。
継続性
継続性の面で言うと、知人に紹介してもらうのは「中」です。
言ってしまえば紹介は「知人の力を借りている」状態になるため、100%あなたの力が評価されたとも言えません。とはいえ、もちろん、あなたの力を見込んでいるからこそ仕事を任せているという側面はありますよ!
そのように考えてみると、初めてあなたから提供する価値・成果物によって、あなたのことを評価することになると考えられ、その評価次第で継続できるかどうかも変わってくるでしょう。
3つの仕事の取り方を実践するために細かな動きも必要
ここまで、仕事の取り方を大きく「クラウドソーシングサイトの活用」「企業と直接取引をする」「仕事や取引先を知人などに紹介してもらう」この3つに分けて紹介してきました。
この3つはあくまでも「大きく分けて」ですので、細かく分けるともっと多くのやり方があります。
クラウドソーシングサイトならば複数のサイトがありますし、知人に仕事や取引先を紹介してもらうにしても「知人」の幅の広げ方にも方法があります。
細かく分けるすぎるとかえって「何をすればいいかわからない」という状態に陥りかねないので、まずは大きく分けて3つあると認識し、そのためにはどのような細かな動きをしていけばいいのかを考えてみてください。
フリーランスとしてスタートする際のおすすめの仕事の取り方・流れ
将来的にフリーランスになることを検討しているあなたにおすすめしたい、仕事の取り方・流れとしては「まずはクラウドソーシングサイトを活用し、徐々に直接取引に挑戦してみる」です。
「Webライター」なのか「Webデザイナー」なのか、はたまた「プログラマー」なのか、職種によっても仕事の獲得方法は異なりますが、フリーランスとして仕事をスタートさせるならばまずは実績を作っていくことが重要です。
会社員として働いていた時の実績があれば、その実績を後ろ盾としていきなり直接取引を持ちかけてみても良いかもしれませんが、数年会社員として勤めたレベルだと大きな実績も作りにくいでしょう。
あなたにスキルがあるかどうかを相手に判断してもらうためには、見せられる実績・成果物が必要です。ですから、まずは「実績作り」を中心的に行っていきましょう。
身近なフリーランスの仕事の取り方:Mさんの場合
実際にフリーランス経験のあるMさんに、どのように仕事をとったのかをお聞きしました!
Mさんは、実際にライターをやっており現在はメディアの編集部にいますが、フリーランスだった当時は初めから営業をして仕事をとっていたそうです。
先ほど「まずはクラウドソーシングサイトを活用し、徐々に直接取引に挑戦してみる」ことがおすすめと紹介しましたが、いきなり直接取引をもらうための営業をかけてもいいんです。
人それぞれ自分にあったやり方がありますから、このMさんのように自分に合ったやり方を見つけるというのもとても大切です。
結局のところ信頼関係を築くことが大切
今回、大きく分けて3つの仕事の取り方について紹介してきましたが、結局のところは信頼関係を築くことが大切です。
フリーランスにとって「継続的に仕事を獲得すること」は、生活をする上でも非常に重要なのですが、信頼関係を築くことができていれば、継続的に仕事をもらうことも可能です。
仮に営業をかけて失敗してしまったとしても、もしかしたら今はあなたを求めていなかったかもしれないけれど、いずれはあなたが必要になる可能性もあります。
中長期的に見てみると、上手くいかなかったとしても信頼関係を築いておくと後々になって活きてくるケースはよくあるんです。ぜひ長い目でみて「信頼関係の構築」を意識してみてください。
フリーランスの仕事の取り方まとめ
今回は、フリーランスの仕事の取り方について、大きく3つに分けて紹介してきました。
自分で仕事を取ってこなければならないのがフリーランスの大きな課題ですが、今回紹介した方法を実行していけば徐々に仕事を獲得できて、要領も掴めてくるでしょう。
仕事の取り方がわからない状態でいきなりフリーランスになってしまうと、最初から仕事がない状態に陥ってしまい、勇気を持って踏み出したフリーランス生活がすぐに終わってしまうかもしれません。
まだフリーランスとしてスタートを切っていない今のうちから準備をして、万全の体制でフリーランス生活をスタートできるようにしていきましょう。