フリーランスになりたい人が、気になることの1つは「労働時間」ですよね。仕事の時間を自由に決められるフリーランスになって、「趣味や友人・家族との時間を増やしたい!」と、あなたも考えているのではないでしょうか?
私も趣味である漫画を読む時間を増やしたい、自由な時間が欲しいと思い、フリーランスになりました。
しかし、会社員時代よりも労働時間が増え、収入が減ってしまうようなら、「フリーランスにならない方が良かった」と感じることになるのは、容易に想像できます。
この記事ではフリーランスの労働時間を、収入について交えながら説明していきます。「フリーランスの労働時間」について知りたい方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
フリーランスなら労働時間が減って、収入が上がる可能性も!
会社員は基本的に、労働時間=収入です。残業をした分だけ収入は上がりますが、仮に24時間働いたとしても収入には上限があります。
しかし、フリーランスは労働時間≠収入です。会社員時代より長く働いても収入が低いこともありますが、少ない労働時間で、より多くの収入を得ることも可能です!
将来的に短い労働時間で収入をあげたいのなら、フリーランスになるのがおすすめですよ。
フリーランスは労働基準法が適用されない
労働基準法では1日8時間以上、1週間で40時間以上、労働させてはいけないという決まりがあります。
しかし、フリーランスは労働基準法が適用されません。言ってしまえば、1日に何時間でも働いて良いのです。
また、フリーランスには残業や終業時間という概念がありません。
1日に8時間以上労働したとしても残業代が出ないのです。ですので、会社員のように「残業代で稼ぐ」という考えは捨て去る必要があります。
いかに、短時間で収益を発生させるかが大切になってきます。
フリーランスと会社員の労働時間の比較
この章では一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会がまとめているデータを基に、フリーランスと会社員の1ヶ月の労働時間について紹介します。
フリーランスの労働時間
フリーランスの労働時間は、140時間〜200時間の割合が最も多いです。残業なしの会社員の就労時間と、大差ない結果となっています。
グラフをよく見てみると、1ヶ月の労働時間が20時間未満〜140時間の割合が48%も占めていることが分かります。
多くの会社員が1日8時間働いているのに対して、仮に1ヶ月の間に25日100時間働いた場合、1日あたりの労働時間が4時間という結果になっています。
数字だけ見ると、1日あたりの労働時間が会社員の半分になっており短いように見えますが、このアンケート結果には副業として働いている人の労働時間も含まれているので参考程度に留めてください。
会社員の労働時間
会社員はフリーランスと同じように、140〜200時間が最も多くなっていますが、労働時間が140時間未満の割合を見てみると、フリーランスの48%に比べても低い33.1%となっています。
フリーランスの中には副業の人も含まれているので、正確な数字は分かりませんが、1ヶ月の労働時間を減らしたいのならフリーランスの方が良いでしょう。
会社員からフリーランスになった時の労働時間の増減
上図は、会社員の経験がある人に「会社員からフリーランスになった時に、労働時間がどうなったのか」をアンケートした結果です。
61.5%の人がフリーランスになったことで、労働時間が減っていると回答しています。フリーランスと会社員の労働時間の結果を見たときは、大差ないように見えますが、基本的に労働時間が減っていると考えて良いでしょう。
ただし、少なからず労働時間が増えている人がいることも事実です。大多数の人の労働時間が減っているからと言って、あなたの労働時間が必ず減少するという訳ではありません。
フリーランスと会社員の収入の比較
労働時間と同じく一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会がまとめているデータを基に、フリーランスと会社員の収入について紹介していきます。
フリーランスの収入
収入に関しては、副業として活動している人を除いたデータです。
フリーランスの収入は、300〜800万円が半数を占めています。ただし、100〜300万円も2割いるので、フリーランスになったことにより、収入が減少してしまう可能性もあります。
会社員の収入
フリーランスと同じように、300万~800万が半数を占めています。800万円以上に関しては、フリーランスのほうが5.3%高いので、800万円以上稼ぎたい場合、フリーランスの方が現実味がありますよ。
ただし、「わからない・答えたくない」の割合が高いので、収入に関するデータは参考程度に留めたほうが良いでしょう。
会社員からフリーランスになった時の収入の増減
フリーランスは労働時間が少ないという結果が出ていますが、44.8%の人が収入も減っています。
必ずしも労働時間が減って、収入が増える訳ではないので注意しましょう。
上図は、フリーランスの労働時間別の年収についてまとめたアンケート結果です。
1,000万円以上稼いでいる人は、フルタイムワーカーで13.7%、ハードワーカーで19.4%です。ハードワーカーの方が、1,000万円以上稼いでいる人の割合が高い結果となりました。
反対に、年収が400万円以下の人は、フルタイムワーカーで39%、ハードワーカーで26.9%です。
以上のことから、200時間以上働いているハードワーカーの方が、収入の平均が高いことが分かります。
より収入を上げたい場合は、労働時間を伸ばすのも1つの手です。ただしダラダラと作業をした結果、労働時間が伸びた場合は上がる可能性は低いです。
フリーランスの収入は、提出物のクオリティや納品数によって決まることが多いので、「労働時間が長い=収入が増える」という考えは捨てましょう。
次の章からは、フリーランスの収入がどのように決まるのか、収入を増やすにはどうすれば良いのかについて詳しく説明しますね。
フリーランスの収入はどう決まるのか?
会社員なら、労働時間=収入ですので給料の計算が比較的簡単でしょう。しかし、フリーランスは労働時間≠収入なので、どのように収入が決まるのか分かりづらいです。
先ほども少し触れましたがフリーランスの収入は、基本的に商品(サービス・製作物)や取引先により異なります。
商品
サービスや製作物のレベルにより収入が異なります。例えばライターなら、記事の文字数により報酬額が異なってくることが多いです。
イラストレーターなら既存キャラのイラストを描くよりも、キャラクターデザインまで行ったほうが報酬は高くなるでしょう。
上記のように、商品により報酬額が異なってくるので、”1時間仕事をしたから、1万円貰える”と、いうことはありません。
もし収入を増やしたい場合は、取引先が求めているレベル以上の商品を、短時間でこなせるよう作業の効率化を図っていきましょう。
その結果、納品数が増えるので、同じ時間働いたとしても収入に差が出てきますよ。
例えば、ライターとして3,000文字3,000円の記事を書く場合、3時間かけて1つの記事を書くよりも、1記事あたりにかける時間を短くして3時間で2記事書けば、収入は3,000円増える計算になります。
短時間で納品することを意識するあまり、商品のクオリティが低くなってしまうと、契約を打ち切られる可能性があります。
ですので、作業の効率化を意識しつつ、求められているクオリティ以上の商品を提出するように心掛けましょう。
取引先
同じ商品だからといって、全ての企業で報酬額が一緒という訳ではありません。
企業により、経済状況やあなたが請負った仕事の重要性などは異なってきます。ですので、仮に同じ商品を納品した場合でも、もらえる報酬額が異なってくるので注意しましょう。
報酬額が少ない会社と取引をすると、労働時間が同じでも収入が減ってしまうことを覚えておくと良いですね。
より収入を増やすには?
フリーランスとして働いていると報酬額が低いながらも、仕事のやりやすい環境や取引先に出会えたり、自由度の高い仕事を行えたりします。
「仕事面では満足だけど、報酬額が低いから取引を止めようかな…」と考えるときが、あなたにも来るかもしれません。
そのような時は、”価格交渉をして、報酬額を上げる”ということを覚えておきましょう。1度交渉すれば、その後は同じ労働時間でも収入が上がります。
いくつもの案件をこなして収入を上げるより、労働時間が減るのでおすすめですよ。交渉をするタイミングは以下の通りです。
- 目に見える成果が上がったとき
- 受注するタイミング
目に見える成果が上がったとき
取引先の収益に貢献するような成果が上がったときに、価格交渉をするのがおすすめです。
例えば、営業系なら月に10本安定して決まったとき、ライターならあなたが書いた記事から収益が上がったときなどです。
会社は慈善事業ではないので、利益が1番。会社を存続させるために、利益が上がっていない状態で報酬額が上がることはまずあり得ません。
なので、あなたの仕事により取引先の収益が上がったときに交渉するのが、1番交渉が成立する可能性が高いと考えられます。
何度も交渉するとその分、収益が発生しない無駄な時間が増えてしまうので、ここぞという時に交渉をすると良いでしょう。
受注するタイミング
報酬額が決まっていない場合は、受注するタイミングで価格交渉をするのがおすすめです。取引先がまだ報酬額を決めていない状態だと推測できるので、あなたの希望が通りやすくなります。
ちなみに、希望額を提示するときは少し高めの金額を示すのがおすすめです。例えば、最初から3万円を提示するよりも、5万円から3万円に下げた方が”お得感”が出るので、希望額通りになりやすくなります。
もし、報酬額が決まっていたとしても、募集要項にない仕事を+αで提案すれば、その分だけ報酬額が上がる可能性もあります。
報酬額が決まっているからと言って諦めずに、交渉してみると良いでしょう。ただし、+αの仕事は取引先にとって有益なものでないと意味がないので、提案する前にしっかり考えてください。
また+αの提案をした結果、時給計算をしたときに低くなってしまうようなら意味がありません。ですので、「この提案をしたときに、自分の時給はどうなるのか?」ということまで、考えてから提案するのがおすすめです。
高いスキルを持っていると収入は上がりやすい
高いスキルを持っていればいるほどライバルは減っていくので、取引先にとってあなたは貴重な人材になります。任せられる人が少ない分、報酬額が高くなる傾向にあります。
また、ライバルが少ない分、あなたは代替のきかない存在です。その結果、取引が終了する可能性が低くなるので、次の仕事のために営業をすることも少なくなるでしょう。
営業をしている時間は、収入の発生しない無駄な時間です。無駄な労働時間を発生させないためにも、高いスキルを会得し、取引を続けられるようにしていくと良いでしょう。
労働時間を減らして収入を増やすには?
フリーランスになって労働時間を減らして、収入を増やしたいと思っている方も多いでしょう。
1番おすすめの方法は、作業を効率化することです。例えば、報酬額が1万円の仕事を1時間で仕上げるのと、5時間かけて仕上げるのとでは、時給換算をすると8,000円も変わってきます。
労働時間を短くするために、仕事をテンプレート化したり、苦手で時間が掛かってしまう作業の練習をしたりすると良いでしょう。
メールの内容をテンプレート化するだけでも時間短縮に繋がりますし、苦手な箇所を克服することで時間短縮だけでなく仕事の幅も広がるかもしれません!
まとめ
フリーランスの労働時間について紹介しました。会社員からフリーランスになった人の約60%が、会社員時代に比べて労働時間が減ったと回答しています。
労働時間を減らしたい人にとって、フリーランスという働き方は最適でしょう。
しかし会社員時代からフリーランスになって収入が上がった人は約40%でした。労働時間が減った分、収入が減る可能性があることは知っておいた方が良いでしょう。
フリーランスの労働時間別に収入をまとめたアンケート結果では、140時間以上200時間未満の人より、200時間以上の人の方が平均収入が高いです。
ですので、収入を上げたい人は会社員と同じくらい、もしくは、それ以上に働くのも1つの方法です。ただし、ダラダラ仕事をして労働時間を伸ばしているだけでは、収入UPには繋がりません。
取引先に価格交渉をしたり、作業の効率化をしたりすることを、心がけてくださいね。
この記事では、年収データを「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 「フリーランス白書2018」」の内容をもとに作成しています。