あなたは、フリーランスで働く人々がいくらくらいの給料を得ているか気になっていませんか?
「フリーランスは、頑張った分だけ稼げるってよく聞くけど、大体どのくらい稼げるの?」
「会社を辞めるためには、同じくらいの稼がないといけないのはわかるんだけど、ちょっと不安だな。」
フリーランスとして働きたいという気持ちがあっても、実際どのくらい稼げるのかがわからないとなかなか動き出しにくいですよね。
そこで今回はフリーランスの労働時間別の年収や職種別の年収といったデータや、会社員とフリーランスの年収データの比較、手取りで300万円得るために稼ぐ金額の目安について紹介します。
この記事を読めば、フリーランスの給料事情について詳しく知ることができます。ぜひ最後まで目を通してください。
働けば働くほど給料も増えるのがフリーランスの魅力!
まずは一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が2019年に調査した、フリーランスの労働時間の分布データをご覧ください。
(参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 「フリーランス白書2019」)
月間平均労働時間 | 割合 |
〜20時間 | 4.9% |
20〜60時間 | 16.3% |
60〜100時間 | 15.4% |
100〜140時間 | 17.1% |
140〜200時間 | 27.7% |
200〜250時間 | 10.8% |
250時間〜 | 7.6% |
フルタイムで働く会社員の労働時間は月間150時間前後ですが、フリーランスも同じくらいの時間働いている方が最も多いことがわかりますね。
こちらの情報を元に、続いてはフリーランスの労働時間と年間収入の割合表をご覧ください。(太字は各時間で最も割合が高い年収)
〜60時間 | 60〜140時間 | 140〜200時間 | 200時間〜 | |
〜200万円 | 47.0% | 26.9% | 10.0% | 8.8% |
200〜400万円 | 23.2% | 31.4% | 29% | 18.1% |
400〜600万円 | 11.4% | 18.4% | 21.6% | 21.9% |
600〜800万円 | 4.3% | 10.2% | 15.8% | 20.6% |
800〜1000万円 | 3.8% | 5.7% | 9.5% | 9.4% |
1000万円〜 | 3.8% | 4.9% | 13.7% | 19.4% |
不明・無回答 | 6.5% | 2.5% | 0.4% | 1.9% |
労働時間が長くなるほど、高い収入を得ている人の割合が増えていることがわかります。
140〜200時間の労働時間で年収600万円以上と回答した人の割合が39%もいるのが興味深いデータと言えるでしょう。
会社勤めと同等の労働時間で、それだけ稼げる可能性があるフリーランスはやはり魅力的ですね。
フリーランスでも職種によって給料はマチマチ
ひとくちにフリーランスといっても、webライター・イラストレーター・プログラマーなど、様々な職種が存在します。そこでこの項目では、フリーランスの収入分布を業種別に7つ紹介します。
①【ビジネス系】
〜200万円 | 16.2% |
200〜400万円 | 23.0% |
400〜600万円 | 16.9% |
600〜800万円 | 15.5% |
800〜1000万円 | 8.8% |
1000〜1200万円 | 10.1% |
1200〜1500万円 | 3.4% |
1500〜2000万円 | 1.4% |
2000万円〜 | 3.4% |
不明・無回答 | 1.4% |
主に経営企画やマーケティング・営業といったビジネス関係の業種に就いているフリーランスの年収データです。
200〜400万円代が最も多く、71%ほどの人が800万円以下の年収となっています。
②【IT・エンジニア系】
〜200万円 | 14.6% |
200〜400万円 | 21.2% |
400〜600万円 | 22.2% |
600〜800万円 | 18.7% |
800〜1000万円 | 11.6% |
1000〜1200万円 | 5.1% |
1200〜1500万円 | 1.0% |
1500〜2000万円 | 3.0% |
2000万円〜 | 1.5% |
不明・無回答 | 1.0% |
続けてwebデザイナーやプログラマーといったエンジニア系の業種に就いているフリーランスの年収データです。
200〜400万円代と400〜600万円代がほぼ同じという結果になりました。1000万円以上の年収を得ている方は約10%いますね。
③【文筆系】
〜200万円 | 32.0% |
200〜400万円 | 26.9% |
400〜600万円 | 21.5% |
600〜800万円 | 8.2% |
800〜1000万円 | 5.5% |
1000〜1200万円 | 2.3% |
1200〜1500万円 | 0.0% |
1500〜2000万円 | 0.9% |
2000万円〜 | 0.5% |
不明・無回答 | 2.3% |
次はライターや編集、通訳といった文章に関わる業界で働くフリーランスの年収データです。
200万円以下の方が3割強もいますね。600万円代までで全体の約80%を占めることから、他の業種に比べてあまり稼いでいる人はいないようです。
④【コンサルタント・カウンセラー系】
〜200万円 | 24.3% |
200〜400万円 | 31.5% |
400〜600万円 | 10.8% |
600〜800万円 | 9.0% |
800〜1000万円 | 6.3% |
1000〜1200万円 | 7.2% |
1200〜1500万円 | 2.7% |
1500〜2000万円 | 0.9% |
2000万円〜 | 0.9% |
不明・無回答 | 6.3% |
カウンセラーや講師、ジムトレーナーといった人を教育する立場の仕事をしているフリーランスの年収データです。
200〜400万円代の年収を得ている方が最も多く、600万円代までで65%を占めていますが、それ以上の年収を得ている方も30%ほどいるようです。
⑤【職人・アーティスト系】
〜200万円 | 29.8% |
200〜400万円 | 33.3% |
400〜600万円 | 15.5% |
600〜800万円 | 11.9% |
800〜1000万円 | 3.6% |
1000〜1200万円 | 3.6% |
1200〜1500万円 | 0.0% |
1500〜2000万円 | 1.2% |
2000万円〜 | 1.2% |
不明・無回答 | 0.0% |
5つ目はカメラマンや美容師、アーティストといった職人系技術職に仕えているフリーランスの年収データです。
年収400万円以下の方が60%を超えており、1000万円以上の年収を稼いでいる方はおよそ6%と一握りのようです。
⑥【専門・士業系】
〜200万円 | 17.4% |
200〜400万円 | 13.0% |
400〜600万円 | 26.1% |
600〜800万円 | 8.7% |
800〜1000万円 | 8.7% |
1000〜1200万円 | 8.7% |
1200〜1500万円 | 0.0% |
1500〜2000万円 | 4.3% |
2000万円〜 | 8.7% |
不明・無回答 | 4.3% |
弁護士・司法書士・公認会計士などの専門知識が必要な分野で活躍されているフリーランスの年収データです。
400〜600万円代が最も多いことから、他の業種よりも平均年収が高めであることがわかりますね。
⑦【接客・作業系】
〜200万円 | 22.2% |
200〜400万円 | 51.9% |
400〜600万円 | 14.8% |
600〜800万円 | 7.4% |
800〜1000万円 | 0.0% |
1000〜1200万円 | 3.7% |
1200〜1500万円 | 0.0% |
1500〜2000万円 | 0.0% |
2000万円〜 | 0.0% |
不明・無回答 | 0.0% |
最後は工事現場作業や接客業、事務といった仕事をフリーランスで行なっている方の年収データです。
半数以上の方が200〜400万円代という結果になりました。また、1000万円以上の高年収は3.7%しかいません。
頭を使う仕事の方が年収は高い
前章で紹介した職種別の収入分布を一覧表でまとめました。年収を「〜600万円」「600〜1000万円」「1000万円〜」の3クラスに分け、それぞれの割合が一目でわかるようになっています。
職種 | 〜600万円 | 600〜1000万円 | 1000万円〜 |
ビジネス系 | 56.1% | 24.3% | 18.3% |
IT・エンジニア系 | 58% | 30.3% | 10.6% |
文筆系 | 80.4% | 13.7% | 3.7% |
コンサルタント・カウンセラー系 | 66.6% | 15.3% | 11.7% |
職人・アーティスト系 | 78.6% | 15.5% | 6% |
専門・士業系 | 56.5% | 17.4% | 21.7% |
接客・作業系 | 88.9% | 7.4% | 3.7% |
こうして比較すると、法人と取引する機会が多い職種(ビジネス系、IT・エンジニア系、専門・士業系)の方が平均年収が高いことがわかりますね。
一方で文筆系や接客・作業系といった「数をこなして稼ぐタイプ」の仕事は、年収が高くなりにくいですが、専門的なスキルも不要なので比較的始めやすい職種と言えるでしょう。
どちらにも当てはまらないのはコンサル・カウンセラー系と職人・アーティスト系の職種ですが、この2つは全く違う理由で収入分布がバラけています。
コンサル系は個人・法人の両方と取引できる仕事なので収入分布にバラつきが生まれ、職人系は個人のスキルやセンスが問われるので報酬額も人それぞれで差が生まれるのです。
- 専門的な知識や経験が必要な頭を使う職種は「高収入だけどハードルが高い」
- 専門スキルがなくても出来るような職種は「稼ぐのが難しいけど始めやすい」
- 個人・法人どちらとも取引する職種は「取引相手によって報酬が大きく異なる」
- 個人のセンスや技術が頼りになる職種は「人によって稼ぎが大きく変わる」
会社員とフリーランスの労働時間と平均年収を比較してみた
ここまででフリーランスの労働時間と職種別の平均年収については理解が進んだかと思います。続いては、会社員の労働時間と平均年収の関係をまとめたデータをご覧ください。
会社員の月間平均労働時間
月間平均労働時間 | 割合 |
〜20時間 | 1.9% |
20〜60時間 | 20.1% |
60〜100時間 | 5.4% |
100〜140時間 | 5.9% |
140〜200時間 | 51.0% |
200〜250時間 | 11.5% |
250時間〜 | 4.2% |
おさらいとして、下にフリーランスの月間平均労働時間表を再掲載します。比較してみましょう。労働時間にバラつきがあったフリーランスに比べて、会社員はかなり偏っていますね。
月間平均労働時間 | 割合 |
〜20時間 | 4.9% |
20〜60時間 | 16.3% |
60〜100時間 | 15.4% |
100〜140時間 | 17.1% |
140〜200時間 | 27.7% |
200〜250時間 | 10.8% |
250時間〜 | 7.6% |
会社員の労働時間別年収分布図(太字は各時間で最も割合が高い年収)
〜60時間 | 60〜140時間 | 140〜200時間 | 200時間〜 | |
〜200万円 | 12.8% | 13.7% | 6.3% | 5.6% |
200〜400万円 | 35.2% | 28.2% | 32.4% | 23.6% |
400〜600万円 | 21.1% | 23.1% | 24.2% | 29.2% |
600〜800万円 | 11.0% | 9.4% | 11.6% | 17.4% |
800〜1000万円 | 3.1% | 0.9% | 5.5% | 7.5% |
1000万円〜 | 1.3% | 2.6% | 2.1% | 3.7% |
不明・無回答 | 15.4% | 22.2% | 17.9% | 13.0% |
そしてこちらが、会社員の平均年収の割合を労働時間別で表した図です。こちらもおさらいとして、下にフリーランスの労働時間別の平均年収割合表を再掲載します。
〜60時間 | 60〜140時間 | 140〜200時間 | 200時間〜 | |
〜200万円 | 47.0% | 26.9% | 10.0% | 8.8% |
200〜400万円 | 23.2% | 31.4% | 29% | 18.1% |
400〜600万円 | 11.4% | 18.4% | 21.6% | 21.9% |
600〜800万円 | 4.3% | 10.2% | 15.8% | 20.6% |
800〜1000万円 | 3.8% | 5.7% | 9.5% | 9.4% |
1000万円〜 | 3.8% | 4.9% | 13.7% | 19.4% |
不明・無回答 | 6.5% | 2.5% | 0.4% | 1.9% |
労働時間が増えると収入も増加する傾向にあるフリーランスに対して、会社員は良くも悪くもあまり変化がありません。
「頑張ったら頑張った分だけの報酬が欲しい」と考える上昇志向の強い方は、フリーランスが向いているでしょう。
フリーランスは社会保障制度が乏しいという現実も
自由な時間で働けて、働けば働くほど年収がアップしやすいフリーランス。しかし、良いことばかりではありません。
フリーランスは会社員に比べて、社会保障制度が乏しいという現実があります。
特に専業で行なっているフリーランスは雇用保険や労災保険に入れなかったり、休業時の補償制度が整っていないので社会保険料の免除や給付金が受けられなかったりします。
他にも会社が代行していた納税手続きを自ら行なう必要や、厚生年金に入れないので将来年金を受け取る金額が会社員と比べて低くなってしまうなど、仕事以外の面で苦労することがあるでしょう。
フリーランスが手取りで300万円を得る為に稼ぐべき金額
フリーランスは自分で税金を支払う必要があったり、ボーナスや昇給がなかったりするので、毎月会社員の固定給よりも多めに稼がないと同じ水準の手取りにはなりません。
仮にあなたがフリーランスとして、手取りで年間300万円を得ようとした場合、総支給額では約460万円ほど稼ぐ必要があります。(つまり毎月約38万円)
これはフリーランスの収入から税金や保険料、経費が引かれると約65%になり、それが手取りとして受け取れる金額と言われているからです。
(参考:https://agency-star.co.jp/column/freelance-taking)
固定給で働いている会社勤めの感覚では、毎月38万円を稼ぐことは難しいと思ってしまうでしょう。
しかし、先述したデータから見るとフリーランスで毎月140時間以上働いている方で、年収400万円以上を稼いでいる方は60%以上もいます。そう考えると、十分実現可能な数字ではないでしょうか。
理想の生き方を実現するために、働き方を見直してみよう
今回はフリーランスの給料にまつわる情報や会社員との違い、手取りで300万円を得るためにはどのくらい稼がなくてはならないのかなどを紹介しました。
フリーランスは会社員に比べると補償が少なかったり、収入が安定しなかったりするので不安を覚えたかも知れません。
しかし、自分の実力や行動次第で際限なく年収アップを狙えるのは何よりも魅力的です。逆に会社員は働く時間が増えてもあまり給料が増えないということがわかりましたね。
今回紹介した情報が、あなたの人生プランを設計する際の参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
本記事では、年収データを「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 「フリーランス白書2019」の内容をもとに作成しています。