近年、フリーランスという働き方が浸透してきており、自身で確定申告をする方が増えてきています。
しかし「確定申告をしなければいけないのはわかるけど、やり方がわからなくて不安」という悩みを抱えてはいませんか?
この記事では、そんな方のためにフリーランスの確定申告のやり方についてご紹介しています。確定申告のことが知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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フリーランスの確定申告のやり方は?
まずは全体像が把握できた方がわかりやすいと思うので、フリーランスが行う確定申告の主な流れを以下にまとめました。
- 必要な書類を用意する
- 帳簿を整理する
- 確定申告書類を作成する
- 確定申告書などを提出する
- 納税する
何から手をつければいいかわからないと不安ですが、こうして全体がわかってしまえば怖くありませんね。
「1.必要な書類を用意する」から「4.確定申告書などを提出する」までの流れをこの先で詳しく解説していきます。
1.必要な書類を用意する
フリーランスの確定申告で必ず提出しなければいけない書類は、確定申告書と収支内訳書または青色申告決算書です。
確定申告書にはA様式とB様式があり、会社員や年金所得者、一時所得だけの人はA・Bどちらを使ってもかまいませんが、個人事業主をはじめとする事業所得を得ている人はB様式になります。
また、白色申告の場合は収支内訳書を、青色申告の場合には青色申告決算書を併せて提出する必要があります。
いずれも国税庁のwebサイトや税務署にて入手することが可能です。青色申告については後述しています。
2.帳簿を整理する
帳簿とは、売上や仕入のほか、交通費や通信費といった経費、借入れなど、毎日のお金の流れを記録したもののことです。
すべての事業者は日々の取引を帳簿に記録し、帳簿と領収書などの関連書類を一定期間保存することが義務づけられており、これはフリーランスにも言えることです。
帳簿のつけ方に決まりはありませんが、請求書や領収書、受領書、クレジットカードの明細などを集めて、その内容をもれなく記載していくのが基本です。
溜めこんでから処理しようとするととても大変なので、できれば毎日、少なくとも1週間に1回は帳簿を記入する癖をつけておくと良いでしょう。
3.確定申告書類を作成する
1年分の帳簿が用意でき、社会保険料控除証明書や寄附金受領証明書などの書類も揃ったら、帳簿と書類を見ながら提出書類を作成していきます。
確定申告書類の作成方法は大きくわけて以下の4つがありますので、手間とかかる費用を比べて自分に合った方法を取るのが良いでしょう。
- 手書で作成する
- 会計ソフトを使用して作成する
- 税理士に依頼する
- 確定申告書等作成コーナーを利用して作成する
普段からしっかりと帳簿をつけられる方であれば、自分で作成する方法を選ぶことができるので余計なお金はかかりません。
しかし、「書類の作成に時間を割くのは嫌だ」という方は、税理士に依頼すると良いでしょう。
4.確定申告書などを提出する
確定申告書と収支内訳書/青色申告決算書の作成が終わり、必要な書類が揃ったら、作成した書類を提出します。
提出する方法は以下の4種類がありますので、自分に合った方法で提出すると良いでしょう。
- 税務署に直接持っていく
- 郵便または信書便で税務署へ郵送する
- 税務署の時間外収集箱を利用する
- e-taxを利用する
なお、青色申告で最大65万円の青色申告特別控除を受けるには、e-Taxによる申告(または電子帳簿保存)が必要です。税務署への持参や郵送などの場合、特別控除額は最大55万円となります。
ここまで終われば、あとは定められた期限までに納税するだけです。所得税は3月15日まで、消費税は3月31日までに納めましょう。
フリーランスが確定申告するときは青色申告がオススメ
先述した通り、フリーランスの確定申告には「白色申告」と「青色申告」がありますが、一般的にフリーランスは青色申告をオススメされています。
その理由は、青色申告には以下のようなメリットがあるからです。
- 最高65万円まで所得が特別控除される
- 専業専従者給与
- 純損失の繰り越し
白色申告に必要な帳簿は単式簿記でつけることができますが、青色申告に必要な帳簿は複式簿記でつけなければいけません。
それでも最高65万円の特別控除が受けられるのであれば、手間をかけるだけの価値がありますね。
フリーランスの確定申告は経費が重要
フリーランスが確定申告をする際には、経費への理解が重要になってきます。なぜなら、年間の総収入から経費と控除額を引いた金額が所得だからです。
つまり、経費として計上できることを知らなかったり、経費に計上し忘れてしまったりすると、余計に税金を払わなくてはいけなくなるのです。
「フリーランスになったら領収書は必ずもらえ」と言われているのを聞いたことがあるかもしれませんが、これが理由となっています。
なお、経費に計上できる支出かどうかは、事業に関係あるか、売上に影響があるかの観点で判断されています。
フリーランスの確定申告に役立つ会計ソフト
先述したように確定申告には帳簿が必要になりますが、簿記や会計の知識がまったくないという方が帳簿をつけるとなると、どうやってつけたらいいのかわからなくて困ってしまいますよね。
そんなときに頼りになるのが会計ソフトです。収支などのお金の動きを一元管理できるシステムであり、勘定科目の設定や財務状況の確認がとても簡単です。
銀行口座やクレジットカードと連携して自動で記帳されるようにすることも可能なので、漏れがなくなる上に時短にもなります。
無料期間が設けられているサービスもあるようなので、ぜひ調べてみてください。
フリーランスが確定申告してないとどうなる?
フリーランスが確定申告をしないということは、本来納めるべき税金の納めていないことになるので、脱税にあたります。
納めるべき税があるのに確定申告をしていないことが判明すると、税務署から督促状が届きます。督促状が届いたら、無視せずに税務署に出向くなどして、事情を説明しましょう。
税金を滞納すると「延滞税」という税が加算されていきますので、納めなければいけない金額がどんどん大きくなっていってしまいます。
事前にしっかりと準備をして、決められた期間内に確定申告を済ませるほうが、後々の面倒事を考えると賢い選択と言えるでしょう。
フリーランスの確定申告は源泉徴収に注意!
会社に勤めていると会社が源泉徴収をしてくれますが、フリーランスになると確定申告において源泉徴収が深く関わってきます。
源泉徴収とは、給与や報酬を支払う側が、予め支払う給与や報酬から納めるべき税金を差し引いて支払いを行う制度のことです。
なぜこれが深く関わってくるのかというと、確定申告で納付した税金の中には、源泉徴収された金額は含まれていないからです。
つまり源泉徴収についてしっかりと理解しておかないと、二重で税金を納めることになってしまうのです。
まとめ
今回はフリーランスの確定申告について、実際の流れにそって解説しました。
- 必要な書類を用意する
- 帳簿を整理する
- 確定申告書類を作成する
- 確定申告書などを提出する
- 納税する
全体の流れさえ見えてしまえば、どこから取り組めばいいのかがわかるので余計な不安はなくなるでしょう。
確かに手間はかかりますが、ちゃんと確定申告をすればオトクなこともありますので、ぜひ定められた期間内に確定申告を行ってください。