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参照・参考・引用・転載・出典のそれぞれの言葉の意味を解説します。

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この記事では、「参照」「参考」「引用」「転載」「出典」について解説していきます。これらの項目・内容は、覚えていないと、最悪の場合著作権侵害であるとして違法になるケースがあります。

ブログを運営したり、ライターとして活動したりするフリーランスは世の中にたくさんおり、あなたも「比較的参入のハードルが低いから」という理由でブロガーやライターとして活動する道を選んでいるかもしれません。

しかしながら、今回紹介する「参照」や「引用」などのルールを守って書かなければ、先ほども記したように最悪の場合著作権侵害であるとして違法になるケースがあります。

「まぁいいか!」「バレないでしょ!」と軽い気持ちでいると、いつか痛い目を見ることになるかもしれません。自分自身の身を守るためにも非常に大切な内容ですので、必ず最後まで目を通してください。

そもそも著作権とは

今回紹介する「参照」「参考」「引用」「転載」「出典」に関係してくる、「著作物(著作権)」が、そもそも何かについてまずは説明します。

具体的には,小説,音楽,美術,映画,コンピュータプログラム等が,著作権法上,著作物の例示として挙げられています。
その他,編集物で素材の選択又は配列によって創作性を有するものは,編集著作物として保護されます。新聞,雑誌,百科事典等がこれに該当します。

引用:文化庁のホームページ(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu.html)

文化庁のホームページには、上記の通り掲載されています。

身近な本やマンガのほか、楽曲や写真、記事などのコンテンツも著作物にあたり、それら著作物を保護する権利のことを「著作権」と言います。

記事を書くにあたっては、様々なメディアや記事を参考にするのですが、後ほど紹介する公正な引用の慣行に則っていない場合には、著作権法違反になる可能性もあるため、注意してください。

では、次の章からは「参照」「参考」「引用」「転載」「出典」の順番で、それぞれの言葉の意味などを紹介します。

参照とは?

他のものと照らし合わせてみること。 「第一章を-せよ」 「 -項目」

引用:weblio辞書のホームページ(https://www.weblio.jp/content/%E5%8F%82%E7%85%A7)

「参照」という言葉には、「他のものと照らし合わせてみること」という意味があります。

他の”もの”というのは文書や資料を指しており、照らし合わせることができる「目に見える」文書や資料を用いた場合に「参照」という言葉を使うのです。

例えば、本やインターネット上に存在する資料など、目に見えて照らし合わせることができる場合には「参照」を用います。

例文を見ながら確認していきましょう。まずは以下の2つの文章をご覧ください。

  • web+の〇〇という記事を参照した。
  • 会社の上司の話を参照した。

例えば上述している2つの文章があった場合、どちらか正しいかわかりますか?判断基準は「目に見えるもの」かどうか、です。

この2つの文章で正しいのは前者の「web+の〇〇という記事を参照した。」となります。「web+」という媒体に掲載されている記事は「目に見えるもの」ですので、参照という言葉を用います。

一方で「会社の上司の話」は目に見えないものですので、「参照」を使うのは不自然なのです。

参考とは?

前章にて紹介した「参照」という言葉とよく似ており、なかなか区別しづらいのが「参考」です。では「参考」にはどんな意味があるのでしょうか?

① 考えをまとめたり、物事を決める際に、手がかりや助けとすること。また、その材料。 「前例を-にする」

引用:weblioのホームページ(https://www.weblio.jp/content/%E5%8F%82%E8%80%83)

「参考」という言葉は、「目に見えるもの」から「目に見えないもの」まで、全てを対象としています。

要は、目に見える本やインターネット上に存在する資料だけではなく、目に見えない人の意見なども、全て「参考」となるということですね。

「参考」という言葉は、「参照」に比べてカバーできる範囲が広いと覚えておきましょう。前章の繰り返しにはなりますが、「参照」は「目に見えるもの」でなければいけません。

もし「参考」と「参照」の使い方に困った際には、カバーできる範囲の広い「参考」を使用しましょう。

引用とは?

続いて「引用」について紹介していきます。「引用」という言葉には、以下の意味があります。

① 古人の言や他人の文章、また他人の説や事例などを自分の文章の中に引いて説明に用いること。 「古典の例を-する」

引用:weblioのホームページ(https://www.weblio.jp/content/%E5%BC%95%E7%94%A8)

この記事の中でも度々登場していますが、「引用」は他人の文章や事例などを自分の文章の中に引いて紹介することを指しています。

文化庁のホームページには、著作物の引用に関して、以下の記載がなされています。

公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。(注5)国等が行政のPRのために発行した資料等は,説明の材料として新聞,雑誌等に転載することができる。ただし,転載を禁ずる旨の表示がされている場合はこの例外規定は適用されない。

引用:文化庁のホームページ(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html)

公正な慣行に合致し、正当な範囲内で行われる場合には、引用することが可能であると書かれています。

他人の著作物であっても、公正な慣行に合致し正当な範囲内であれば引用をして、自身の著作物に取り込むことが可能です。

記事を書く時には、他の記事に書かれている文章をコピー&ペーストするのは厳禁です。この場合には「引用」という形で、自身の記事に取り込むようにしましょう。

記事を書く上での必要な要素である画像も引用に当たります。「引用」や「転載(※後ほど詳しく紹介します。)」と聞くと文章だけに当てはまるかのようにも聞こえるかもしれませんが、画像についても引用であると覚えておきましょう。

引用を行う上でのルール

ではここで、引用を行う上でのルールについて紹介していきます。前章にて紹介した文化庁の引用部分に「公正な慣行に合致すること」と書かれていますが、なかなか分かりにくい部分です。

では、「公正な慣行」とはどのようなことなのでしょうか?再度文化庁のホームページから、今度は「引用における注意事項」についてご紹介します。

(注5)引用における注意事項

 他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。

  • (1)他人の著作物を引用する必然性があること。
  • (2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
  • (3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
  • (4)出所の明示がなされていること。(第48条)
    (参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)

引用:文化庁のホームページ(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html)

この引用部分に書かれている4つの点と、さらに「文章を改変してはいけない」という点に注意しましょう。それぞれについて詳しく紹介します。

他人の著作物を引用する必然性があること

引用を行うにあたっては、「その著作物を引用する」という必然性がなければなりません。

例えば「コカコーラ」の紹介をする記事の中で、「ペプシ」のサイトにある文章を引用するとなった場合、「ペプシ」のサイトにある文章を引用する必然性がないと言えるでしょう。

「コカコーラ」の紹介をする記事ですので「コカコーラ」のサイトにある文章を引用する場合に、「著作物を引用する必然性がある」と判断ができるでしょう。

引用部分と自分の書いた文章との違いがはっきりとわかること

「引用」を利用する場合には、引用部分と自分自身の書いた文章との違いがはっきりとわかるように区別をする必要があります。

例えばWordPress等を利用していれば「引用」の際に利用する四角い枠を利用すれば十分です。(この記事で引用している箇所は、WordPressにもともと内蔵されている機能を利用しています。)

引用部分と、自分自身の書いた文章との違いがはっきりとわからない場合や、「引用:〇〇」などの記載がない場合には著作権法違反になる可能性がありますので、注意しましょう。

引用部分が多くなりすぎないこと(主従関係が明確であること)

「引用」を利用する場合には、引用した部分の割合が、記事やコンテンツを通じて多くなりすぎないように注意しましょう。

例えば1つの記事の文章の割合を100%とするならば、引用は全体の30%以下に抑える、という具合にしておくと良いですね。引用部分が多くなりすぎると「転載」と見なされる場合があります。

※後ほど紹介しますが、「転載」は基本的に無断で行うことはできません。

なお、引用部分と自分自身が書いた文章とを、「主従」という言葉で表す場合もありますが、基本的には自分自身が書いた文章が「主」となり、引用部分が「従」となるようにしましょう。

出どころが明記されていること

引用をするにあたっては、必ず出どころを明記しなければなりません。著作者名を明記しなければならない、などのルールがあります。

※後ほど、「出典」にてさらに詳しく紹介します。

文章を絶対に改変しないこと

「引用」を利用して自分自身のコンテンツなどに文章を掲載する場合には、”絶対に文章の内容を改変してはいけません。引用してくる文書や資料に書いてある文言を、そのまま掲載します。一字一句改変してはいけません。

例え引用部分に、誤字脱字があった場合でも、誤字脱字がある状態で掲載するのが引用のルールです。

目的があって文章を改変する場合には、「参考」あるいは「参照」を用いて、自分の言葉でまとめましょう。

転載とは?

続いて、「転載」という言葉の意味についても見ていきましょう。

すでに刊行された書物・新聞などの記事や写真を、他の出版物にそのまま載せること。 「 -を禁ずる」 「月報から-した」

引用:weblioのホームページ(https://www.weblio.jp/content/%E8%BB%A2%E8%BC%89)

簡単に言うと、「引用」よりも自分自身が書いた文章の割合が少ない場合のことを指すのが「転載」です。

「主従」という言葉を用いて、「転載」と「引用」の違いを説明すると、以下の通りとなります。

  • 転載:「主」→引用する文章、「従」→自分自身の書いた文章
  • 引用:「主」→自分自身の書いた文章、「従」→引用する文章

「転載」を用いる場合には、「主従」が引用とは逆となり、引用する文章の方が多くなると覚えておきましょう。

引用とは異なり、転載をするには、その著作権者の許諾が必要であり、「好きな作品だから」、「みんなに紹介したいから」という目的でも、無断で転載することはできません(複製権の侵害となります。正規品の販売元や著作者本人のホームページ等を紹介(リンク)するにとどめましょう)。

引用:みんなの著検のホームページ(https://www.biz-shikaku.com/mincho/column/227)

また、「転載」を用いる場合には、基本的に著作権者の許可・許諾が必要です。「無断転載禁止」と言う表記がなされている場合もありますが、書かれていないケースもあります。

ですが、「転載」をする場合には、著作権者の許可・許諾が必要であると覚えておきましょう。許可・許諾なく「転載」をしてはいけません。

なお、「転載」を行う場合であっても、「引用」のルールと同じように文章を改変してはいけませんし、「転載」をしている文章と自分自身の書いた文章の違いをはっきりとさせておかなければなりません。

引用と転載の違い

ここで、引用と転載の違いについて、説明していきます。少し混同してしまう部分ですので、この機会に改めて学んでおきましょう。

許可・許諾の必要有無

「引用」は、著作権者に許可・許諾を得ることなく利用できますが、先ほども記したように「転載」は著作権者に許可・許諾を得る必要があります。

他人の著作物を自身の著作物に入れ込む形でありながら、なぜ「引用」は許可・許諾を得ることなく利用できるのでしょうか?

この理由について、文化庁のホームページにある内容を紹介します。

著作権法では,一定の「例外的」な場合に著作権等を制限して,著作権者等に許諾を得ることなく利用できることを定めています(第30条〜第47条の8)。
これは,著作物等を利用するときは,いかなる場合であっても,著作物等を利用しようとするたびごとに,著作権者等の許諾を受け,必要であれば使用料を支払わなければならないとすると,文化的所産である著作物等の公正で円滑な利用が妨げられ,かえって文化の発展に寄与することを目的とする著作権制度の趣旨に反することにもなりかねないためです。

引用:文化庁のホームページ(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html)

「文化の発展に寄与することが著作権制度の主旨である」とのことから、引用においては、許可・許諾を得ることなく利用可能であると定められています。

ただし、引用をした場合に著作権者の利益に悪影響を及ぼすことがないよう、引用のルールは厳しく決められています。

先ほど紹介した「引用する必然性があること」「文章を改変しないこと」などが、厳しく決められたルールの1つです。

主従関係

自身が創作した著作物と、他人の創作した著作物とは、主従関係が明らかになっていなければなりません。

先ほども紹介したように、引用の場合には自身の著作物の方が「主(多い状態)」となり、転載の場合には他人の著作物の方が「主(多い状態)」となります。

両者の違いをはっきりと認識しておきましょう。

出典とは?

最後に「出典」という言葉について紹介していきます。

故事成語あるいは引用した語句などの出所である書物。典拠。 「用例の-を明らかにする」

引用:weblioのホームページ(https://www.weblio.jp/content/%E5%87%BA%E5%85%B8)

出典と言うのは、参考や引用として利用した文書や資料、写真のことを指しています。ですので、例えば上述している引用部分を例に紹介すると、URLの部分が「出典」に当たります。

今回の場合であれば「weblio」と言うインターネット上の辞書から引用をしていますが、「weblioから引用している」とわかるようにするために、出典=出どころを記載しています。

基本的に「参考」「参照」「引用」「転載」を利用する場合には、出典=出どころを記載することが必須ですので、必ず覚えておいてください。

表記の仕方

ここまで紹介してきた「参考」「参照」「引用」「転載」は、必ず明記しなければなりません。どのように表記をすればいいのか簡単に紹介しましょう。

基本的には「〇〇の△△を参照した」や、「文化庁のホームページ(https://www.bunka.go.jp/)」のように、「参照」「引用」したことを明記した上で、出どころとなる「出典」を記載しましょう。

著作権法第48条2項の中では著作者名を明らかにしなければいけない、とも書かれているので必ず著作者名がわかるよう表記しましょう。

まとめ

今や、インターネット上には、誰でも自分のコンテンツや自分の言葉を発信することができるようになりました。

非常に便利になったとは言えますが、著作権に関するルールを守らずに何気なく他の人の文章やコンテンツをコピーしたり自身の記事上で発信したりしていると、知らぬ間に法を犯してしまう可能性があります。

「知らなかった」では済まされないのが法律です。自分自身が活動している範囲で必要となってくる法律は、必ず頭に入れておきましょう。

今回紹介してきた「参照」「参考」「引用」「転載」のルールは、Web上で活動している人ならば必ず覚えておきたい内容です。「出典」の記載も忘れずに行い、法を犯さないための対策をしていきましょう。

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