ホリエモンが推奨している「ベーシックインカム」とは?

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最近、テレビやネットの放送で、ホリエモンこと堀江貴文氏が「日本はベーシックインカムを導入するべきだ」と話しているのを耳にします。

実はこの手の「ベーシックインカム」についての議論は、昔から何度か繰り返されているのです。

今回は、そんなホリエモンが提唱するベーシックインカムの導入の話を理解するために、「そもそもベーシックインカムとは何か?」や「なぜ、日本はベーシックインカムを導入しないのか」について解説をしていきます。

これからの日本の制度や「生き方」を考える上で必ず知っておきたい内容なので、この機会にしっかりとベーシックインカムについて理解を深めておきましょう。



ベーシックインカムとは?

BI ベーシックインカム

「ベーシックインカム」という言葉を分解すると「ベーシック(=基本的な)」と「インカム(=収入)」という2語から成り立っているのがわかります。

つまり、ベーシックインカムとは「基本的な収入を国が補償する制度」です。もう少し厳密な定義としては、「政府が全ての人に必要最低限の生活を保障する制度」のことを指します。

ベーシックインカムが、他の保障制度と大きく違う点は、無条件で国民全員が受け取ることができることでしょう。つまり、必要最低限の生活のままでよいなら、働かなくても生きていくことを可能にする制度なのです。

この話だけを聞くと「誰にでも公平で素晴らしい制度」のように聞こえるかもしれませんし、もちろんベーシックインカムにはそう言ったメリットが多いのも事実です。

しかし、残念ながらベーシックインカムには多くのデメリットや問題点も指摘されているため、一概に「絶対に導入するべき」とは言えないのです。

ベーシックインカム導入のメリット

笑顔 団欒

まずは、ベーシックインカムの光の部分、つまりメリットからご紹介します。ベーシックインカムを導入することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 貧困の減少
  • 労働選択の自由が広がる
  • 行政の効率化

貧困の減少

ベーシックインカムを導入することで、貧困を減少させることが可能になります。元から、必要最低限の収入が保証されているのですから、一定基準以上の生活レベルを確保できるのです。

この点だけを見れば、現在の「生活保護制度」があるから意味がないと捉えることもできます。

しかし、国民全員に平等に支給するという性質上、これまでのように「国に恵みをもらっている」と言った貧困層のネガティブなイメージを払拭する制度として意味があると言えるでしょう。

労働選択の自由が広がる

ベーシックインカムによって、必要最低限の収入が自動的に入るようになると、中には「仕事をしたくない」と考える人も当然出てくるでしょう。

そのような人は、仕事をせずに自分の好きなことに全力で取り組むことができるようになりますし、もっと収入が欲しい人は引き続き働くことでより多くの収入を手にすることができるようになります。

つまり、これまでの「生活のために仕事をしなければならない」という常識は過去のものとなり、より自分の人生の目的に合わせて、働き方の選択肢(働かないということも含めて)が広がることになります。

また、最低限のセーフティーネットが保障されているため、従来は「就職の安定と引き換え」と考えられていた起業に挑戦しやすい国になっていくことでしょう。

もはやワールドレベルでの競争が前提となった現代において、このようなチャレンジ機会の増加は日本に大きな恩恵をもたらすことが期待できます。

行政の効率化

国民全員に均一にお金を配布するという一見乱暴なベーシックインカム。しかし、実は現在の生活保護などのように受給条件の調査や管理の手間を考えると、実はベーシックインカムの方が行政を効率化することができると考えられています。

このようにシンプルな制度のシステムにすることで、年金消失や生活保護費の不正受給といったトラブルを減少させることにも繋がります。

行政が効率化すること自体は、私たち生活に直接的な影響は少ないでしょう。しかし、国単位で考えた場合、相当額のコストを削減することができるはずです。

ベーシックインカム導入のデメリット、問題点

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一方でベーシックインカムには、導入することで今まで以上に大きな問題に発展する可能性や、導入に至るまでの問題点も指摘されています。

以下はベーシックインカム導入にあたってのデメリット、問題点の一例です。

  • 財源の確保
  • 労働意欲の減少
  • 導入にあたっての変化の大きさ

財源の確保

国民全員にお金を支給すると言っても、元手がなければ当然実行することはできません。つまり、ベーシックインカムの導入には、かなりの財源が必要なのです。

とはいえ、現在の年金制度の崩壊などを考えると、現状のままベーシックインカムを導入する財源などありません。必然的に増税などで財源を確保しなければならないのです。

日本の人口は現在のところ、約1億2000万人です。彼ら全員に毎月それなりのお金を支給するとなると、莫大な財源が必要になります。(一人当たり月8万円の支給で、年間約100兆円)

ベーシックインカムのために税金などを増やして、そこで集めたお金を国民に再分配という構図。経済が回るという見方もできなくはないですが…

労働意欲の減少

あなたは今と同じ収入が自動的に得られるとして、それでも今の仕事を続けたいと思えるでしょうか?残念ながら多くの人は、生活のために仕方なく仕事をしているという人が多いかと思います。

ベーシックインカムは言ってしまえば、働かなくても生きていけるようになる制度と言えます。その中で仕事を続けたいと考える人はあまりいないはずです。

労働意欲が低下した国民が増えた国がどうなるかは想像にかたくないでしょう。

とは言え、実際のところ、イランなどで行われたベーシックインカムのテストケースでは、労働意欲に大きな影響はなかったという報告がされています。

個人の責任が重くなる

ベーシックインカムが導入されれば、一定の収入が保証される制度上、「国の精度が不公平だから」と言った責任を国に求めることはできなくなります。

早い話が、自分の資産などについて多くの部分が「自己責任」と言われてしまう社会になることが予想されます。

これは僕の個人的な意見ですが、現在の日本において「お金」についてしっかりと学んでいる人はごく少数という印象です。このような「知識不足」のままで、いきなり「これからは自己責任です!」と言われたら、困惑する人の方が圧倒的に多いことでしょう。

なぜ、「今」ベーシックインカムなのか?

ビル 現代

このように、ベーシックインカムに関しては、非常に魅力的なメリットと、下手をすれば国自体が崩壊しかねない巨大なデメリット(の可能性)が並存いている扱いの難しい精度です。

実は、このベーシックインカム制度について、最近話題になりつつある背景には、「AI時代の到来」が関係しています。

実際にAIの技術が発展した未来では、多くの人の仕事をAIが代わりにやってくれる世の中がきます。それでも、(現在でいう)仕事はAIが代わりにやってくれるため、お金は生み出され続ける。

つまり、人間が「仕事をしなければ生きていけない時代」は終わりを迎えることが予想されるのです。

人間が生きていくために必要最低限の収入はベーシックインカムでまかない、各々がそれぞれ「自分のやりたいこと」をやるための社会を作る。

これが現在「ベーシックインカム制度」が話題になっている背景です。

警告!残念ながら、ベーシックインカムに頼った人生設計はやめた方がいい!

地雷 危険

と、ここまでベーシックインカムについて解説をしてきましたが、この制度ありきで人生設計をするのは絶対にやめましょう。

そもそも、ベーシックインカムは現在の日本では導入にかなりの手間がかかかります。また、仮にベーシックインカムの導入が決まったとしても、そのシステムが一通り完成するにはそれなりの時間がかかります。

もしかしたら、私たちの子供や孫の世代には「仕事」という概念が存在しない社会が訪れるかもしれません。しかし、少なくとも私たちが生きている間は、完全に「働かなくても生きていける社会」になる可能性はほとんどないはずです。

大事なのは、このような未来が来る可能性を知りつつも、「いま現在、この瞬間」に集中して生きることです。

間違っても「将来、ベーシックインカムが導入されるから、俺は仕事をしない!」などと豪語しない方が賢明です。少なくとも、今のうちは。

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