成功をイメージするのは逆効果!陥ってはいけない自己啓発の罠とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんな逸話を知っているでしょうか?

ある男が1億円の宝くじが当たったら、どんなに素晴らしい人生になるだろうと夢見ている。

「1億円が当たったら僕の夢は全て叶うのに!借金生活とはおさらばだ。大豪邸に住んで、高級車も手にできるし、美味しいものもたらふく食べることができる!」

さらに時間を重ねるたびに、この男の妄想はどんどん膨らんでいく。

「お金持ちになったら、もう仕事はしなくてもいい!それに、1億円もあれば、本当に素敵な女性と恋ができるはずだ。月に1度は海外旅行にいけるし、欲しいものはなんでも買える!最高の人生が僕を待っている!」

ところが、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月経っても、一向に1億円の宝くじは当たらない。彼はどんどん、自分の妄想を膨らませ続ける。しかし結局、1年経っても宝くじが当たることはなかった。

とうとう男は絶望し、神様に祈り始めた。

「神様、僕がこれだけ願望を打ち明けているのに、なぜ宝くじを当ててくれないのでしょうか?僕ほど1億円の宝くじに当たることを待ち望んでいる人はいないのに。僕が何かしましたか?」

すると、天から光が降り注ぎ、少しイラついた口調の神の声が聞こえてくるではないですか!!神様はなんと仰ったのかって?

「いつになったら宝くじを買うのですか?」

そう。この男は自分で言った通り、何もしなかったのだ。



”成功をイメージする”という自己啓発の王道

成功 success

自己啓発系の書籍にはどんなものであれ、必ず「成功している自分をイメージしよう」という内容が書かれています。

特にナポレオン・ヒルの世界的名著「思考は現実化する」はタイトルのインパクトが強いため、この本を読んで「自分も理想の自分をイメージしよう」と考えている人もいるかもしれません。

確かに、数々の成功者も「常に自分の理想をイメージしてきた結果、成功できました!」と話す人もいます。よって、確かに成功している自分を思い描くという方法は、成功を引き寄せる一因であることは間違い無いでしょう。

しかし、実はこの「成功をイメージする」という方法は、使い方を間違えると、かえって成功を遠ざける結果になるというのが心理学の研究によって明らかになっていることをご存知でしょうか?

ニューヨーク大学の心理学教授が明かす「成功イメージ」に潜む罠

頭をかかえる 落ち込む 失敗

ニューヨーク大学とハンブルグ大学の心理学教授を務めるガブリエル・エッティンゲンは、長年の研究の結果を踏まえて「過度な楽観主義は、実生活で行動を起こす意欲と能力を減少させる」と結論づけています。

例えば、お金を稼ぎたいと”想像”することは、実際にお金を稼ぐための”行動を起こす”ことよりはるかに簡単ですよね。しかも、お金を稼いでいる自分を”想像”するだけでも、一時的に満足感を得ることができます。

にも関わらず、なぜ苦労をしてまで、”行動”をする必要があるのでしょうか?すでに”想像する”だけで満足感は得られているのに。

エッティンゲン教授はこの現象について、

夢を見るという心地よい行為によって、人は頭のなかで願いをかなえてしまい、現実世界で困難を切り抜けるために必要なエネルギーを吸い取られてしまうようだ

と述べています。

夢はあっても行動できない人が多い理由の一端はここにあります。つまり、私たちは「成功をイメージする」だけで満足してしまい、結果的に「行動を起こす」というモチベーションが湧かなくなってしまうのです。

あなたを成功に導く”メンタル・コントラスティング”

比較 対比

エッティンゲン教授は著書「成功するにはポジティブ思考を捨てなさい」という本の中で、本当に成功に近づくための成功イメージの作り方を提唱してくれています。

それが、「メンタル・コントラスティング」という方法です。メンタルは精神、コントラスティングは対比という意味ですね。

従来の楽観主義が”成功している自分そのもの”に焦点を当てているのに対して、「メンタル・コントラスティング」は、”自分が成功する過程でぶつかる障害”に焦点を当てているのが相違点になります。

言い換えれば、楽観主義は成功した自分”だけ”をイメージする方法ですが、「メンタル・コントラスティング」は今の自分と成功した自分のへだたり(間)にあるものに焦点を当てているのです。

成功している自分に比べて、いまの自分に足りないものは何かを理解し、その不足を埋める方法を考えることで、着実に成功へと近づくことができるのです。

〜WOOPの法則〜メンタル・コントラスティングを実践する

階段 一歩

前述した「メンタル・コントラスティング」を実際に活用するために便利なのが、WOOPの法則という手法です。

WOOPとはそれぞれ、願い(Wish)、結果(Outcome)、障害(Obstacle)、計画(Plan)の略語になります。

あなたの成功イメージに合わせて、あらかじめこの4つの要素を意識しておくことで、願望だけで満足することなく”現実的に成功するための行動”を起こしやすくなることでしょう。

願意(Wish)

まずは何をするにせよ、「自分がどんな成功を手に入れたいか」を決める必要があります。

落ち着ける場所でリラックスしながら、「簡単ではないが、頑張れば手がとどく願い」を考えてみましょう。

その願いは、本当に”自分自身が心から望む願い”でしょうか。その願いが達成したら、心から満足できるものでしょうか。

焦る必要はありません。自分の心の声に耳を傾けて、心の底から手にしたい成功を自由に考えてみてください。

結果(Outcome)

あなたが心から成功したいと願った願望を達成できたら、あなたはどんな結果を手に入れることができるでしょうか?願望が叶った時のあなた自身をイメージして見てください。

目を閉じて、あなたが成功している姿、その結果得られたものを思う存分、頭の中で再現しましょう。

ただし、「成功している姿をイメージする」だけでは、従来の楽観主義となんら変わりありません。「メンタル・コントラスティング」を本当に生かすためには、必ず次の障害(Obstacle)を実践する必要があります。

障害(Obstacle)

ここからが「メンタル・コントラスティング」の特徴的な部分です。どんな願望でも、それを叶えるに当たって”障害”となるものが必ず出てきます。

さて、あなたが思い描いた成功を手にするに当たって、”障害”になりそうなことはなんですか?思いつく限り、考えて見てください。

一例を挙げると、「時間がない」「やる気が出ない」「急な飲み会に誘われる」「風邪をひく」「やり方がわからない」などが考えられます。

その際、必ず「自分自身が努力すればコントロールできる障害」を考えることが重要です。自分ではどうしようもないことについて考えても、あなたにできることは何もありませんから。

計画(Plan)

ここまできたら、これまでに想定した「願い」「結果」「障害」をもとに、実際の行動計画を立てましょう。

特に大事なのは、障害に対しての対処法をあらかじめ作っておくことです。そこでおすすめなのが、「もし〇〇という事態になったら〇〇する」というルールを作ることになります。

この方法は、イフゼンルールと呼ばれているもので、「モチベーション0で仕事に取り掛かれる「イフゼンルール」を活用しよう」という記事で詳しく解説しているので、合わせて読んでおくことを強くお勧めします。

これであなたは、障害に足を取られることなく、一直線に成功に向かって”行動”することができるようになります。

”思い込み”だけでは成功はしない

妄想 失敗 楽観主義

自分が成功しているところをイメージするという自己啓発でよく聞く話は、確かに成功しやすくする1つの方法ではあります。

しかし、今回の記事で紹介したように、「安直に成功をイメージする」だけでは、現実的に行動する際のモチベーションが奪われるというデメリットも含んでいることは知っておくべきです。

今更言うまでもないことではありますが、大事なのは、成功を思い描くことに加えて、成功を手にするための「行動」を起こすことにあります。さもないと、冒頭で紹介した「一生宝くじに当たらない哀れな男」のような末路をたどることになってしまうでしょう。

成功への第一歩として、まずはこの記事で紹介した「WOOPの法則」を実行して、自分なりの「メンタル・コントラスティング」を考えてみてください!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加