サービス業界必須のマーケティングノウハウまとめ(2つの事例説明あり)

サービス業界必須のマーケティングノウハウまとめ(2つの事例説明あり)

「どのようにしたらお客さんがより喜んでくれるのか?」

「どうしたら満足度向上に繋がるのか?」

「どうしたらリピート客になってくれるのだろうか?」

サービス業界で働いているあなたは四六時中、そんなことを考えているのではないでしょうか?

しかし、あなたのその思いとは裏腹に、お客さんは常に自分の予想とは異なる行動をします。

しかもお客さんがあなたの思い通りにならない状態が続けばあなたのビジネスも必然と続くことはないでしょう。

そこで今回はお客さんに満足してもらうのはもちろん、あなたのビジネスの信者・ファンになってもらうためのマーケティング手法を具体例を混じえて説明していきます。

サービスマーケティングにおける戦略の立案

サービス業界必須のマーケティングノウハウまとめ(2つの事例説明あり)

サービス業が行うマーケティングに関しても、もちろん戦略を練ることが大事なポイントになってきます。そもそもサービス業が取るべきマーケティング戦略は従来の商品を売るために組むマーケティングとは異なり、サービスならではの特性が存在します。次からその4つについて解説していきます。

無形性

無形性とはその名の通り、色も形も匂いもなく目に見えないため非常にわかりにくいものです。ただし、サービス業全てが無形性だけで成り立っているわけではありません。サービスを具現化するために必要な設備や備品などもあるので、有形のものも存在します。その無形:有形の比率が業種によって異なってきます。

例えば、引っ越し。引っ越しというサービス自体は無形ですが、引っ越しのために使うトラックや梱包用の箱、運んでもらう自分自身の荷物は有形です。

そのほかには、弁護士。弁護士自身の能力が主に商品となります。あとは医師。もちろん知識を持っていて尚且つ能力も非常に重要ですが(無形)、メスやサテンスキーなどといった医療器具(有形)がなければ医療というサービスを提供することはできません。

引っ越しでも弁護士でも医師でも、サービスの質が高いかどうかなどは非常に判断しづらく実感しにくい特徴を持っています。

不可分性(同時性)

サービスは、製造・販売がその場で行われます。例えば、髪を切ってもらう時にしても、自分がお店に行ってカットしてもらうことで、製造と販売が行われます。そのため、事前に用意しておくことは不可能です(不可分性)。

消滅性

不可分性と似ているところがありますが、サービスは貯蔵することが不可能です。今まで挙げた例の引っ越しも弁護士も医師も髪の毛を切ることも、在庫することは不可能です。

異質性(変動制)

誰が、誰に、いつ、どこで、提供するかによってサービスの質は変わってきます。例えば20年以上の実務経験のある医師と5年ほどの経験しかない医師であれば、質の高い医療を提供できるのはおそらく20年以上の実務経験のある医師でしょう。

要は、品質を標準化することが難しいのです。不可分性の要素にもあるようにサービスを事前に準備しておくことはできないので、良し悪しはサービス提供者の腕にかかってきます。

サービスマネジメント

サービス業界必須のマーケティングノウハウまとめ(2つの事例説明あり)

サービスを提供する際には、その場に従業員・顧客・企業が存在しなければ成り立ちません。そして「従業員⇄顧客」「顧客⇄企業」「従業員⇄企業」と相互に絡み合ってサービスを提供しているわけです。このサービスを提供する上で欠かせない3つの関係性をどのようにマネジメントしていくかも考えなければいけないわけです。

インタラクティブマーケティング

従業員と顧客の関係をインタラクティブマーケティングと呼びます。例えば接客をしていく中でお客さんの反応を伺い「本当はこのお客さんはこれが欲しいんだな・・・」と表面に出てこない、潜在している想いを認識できるようになれば、「その商品(サービス)を提供するためにどんな風にしたらいいんだろう」と考えて行うそれこそが従業員と顧客との間に発生しているのがインタラクティブマーケティングです。

エクスターナルマーケティング

顧客と企業の関係をエクスターナルマーケティングと呼びます。サービスの提供と消費は同時に発生するため、一度にたくさんのお客さんに対応することが困難です。そのため普段お客さんがあまりこない時間帯や曜日などを割引にしたりおまけをつけたりして、お客様の来店のタイミングを分散させたりといった手段を用いることも効果的で、それを考えることこそがエクスターナルマーケティングです。

インターナルマーケティング

従業員と企業の関係をインターナルマーケティングと呼びます。これはいわゆる「従業員満足度」を高める施策のことを指します。顧客満足度や企業業績を高めるためには従業員満足度を高めなくてはいけません。

  1. 仕事にやりがいを感じ従業員が活き活きと仕事をする
  2. それが顧客に伝わり顧客の満足度が高まる
  3. 顧客の満足度が高まってリピートしてくれる
  4. 企業の業績が高まる

こういった正の連鎖が発生するため、顧客に接触する従業員の満足度を第一に考えていかなければいけません。これがインターナルマーケティングです。

 

以上の無形性・不可分性・消滅性・異質性、サービスマネジメントを軸に戦略を立案することがサービス業においては必要なことです。

 

サービスマーケティングミックスの7Pとは

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サービスマーケティングには、7P(4P+3P)が存在します。7Pはマーケティングミックスの代表的な枠組みである4Pの他に、3Pが存在します。次からはその3Pに関して主に説明をしていきます。4Pに関してはhttp://webtasu.com/marketingmix-4p/をご覧ください。

3Pとは

  1. Participants(参加者)
  2. Physical evidence(物的な環境)
  3. Process of service assembly(サービスの組み立てのプロセス)

の3つのことです。Participants(参加者)をParson(人)と置き換えることもあります。

このサービスマーケティングミックスは4Pほど確立されたものではないので3P全てを

  1. People(人)
  2. Process(プロセス)
  3. Provision for customer satisfaction(顧客満足への準備)

と置き換えることもあります。

Participants

自社のビジネス環境において、従業員・関係者・協力会社など、顧客にサービスを提供する全ての人を指します。

Physical evidence

これは、安心や安全を顧客に提供することです。証明書や契約書や食品の生産者を明記するトレーサビリティーだったり、顧客に安心感を与え「高品質のサービスを提供することができる」と証明することです。お店の外観や内装など、雰囲気を提供することも物的な環境という意味では重要なことになってきます。

Process of service assembly

顧客にサービスを提供する様々な方法のことを指します。例えば高品質なサービスを提供するためにCRM(Customer Relationship Manegement=顧客関係管理)の改善や効率化をすることが求められます。また、サービスを提供するまでのプロセスも大事な要素です。

 

3Pがどう関係をしてくるの?

例えばレストランについて考えてみましょう。お店の外観や内装などお店の雰囲気(Physical evidence=物的な環境)、周りのお客さんや従業員(Participants=参加者)、料理やワインなどを選んだりするプロセス(Process of service assembly=サービスの組み立てのプロセス)によって顧客満足度は大きく左右されてきます。

 

サービスマーケティングを行う企業の事例

QBハウス

サービス業界必須のマーケティングノウハウまとめ(2つの事例説明あり)

ヘアサロンのQBハウスは、他のヘアサロンにはない特徴があります。その特徴にマーケティング戦略の意図を感じることができます。

QBハウスの理念が5つあります。

  1. 低価格
  2. 短時間
  3. 高利便性
  4. ヘアカットのみ
  5. 予約なし

次から以上の5つについて触れていきます。

低価格

他のヘアサロンはおよそ3000~5000円以上かかるケースが多いものの、QBハウスの場合は1000円と破格の安さ。

短時間

長いところで1時間、短いところでも30分はかかるのが一般的ですが、QBハウスでは10分という短時間で終わるスピード感。

高利便性

QBハウスの多くが駅構内・駅チカ・ショッピングモール内に立地しているケースが多いです。短時間で切ることができるので、電車の待ち時間や家族が買い物をしているちょっとした時間にパパッと髪の毛を切ることができます。

ヘアカットのみ

基本的にヘアカットしか行いません。通常のヘアサロンは髪の毛を切る前と後でシャンプーをしたりしますが、QBハウスはシャンプーをしません。その代わりに独自のエアウォッシャーという機械で髪の毛を吸い取ります。これも時間短縮の1つです。

予約なし

QBハウスは予約制ではありません。券売機で券を買って店内で自分の順番が来るまで待ちます。これは「大事な商談の前に整えておきたい」「ちょっと時間があるから髪の毛を切ろう」などのように、その日その場で髪の毛を切りたくなったお客さんに対応するためです。

従来のヘアサロンは、事前に予約が必要で1時間ほどを要し、3000~5000円ほどかかるのが一般的でした。一方で中には予約なしで気軽に行けて、短時間で安く髪の毛を切りたい、という消費者もいます。その消費者のニーズに応えた形で実現したのがQBハウスです。

 

東京ディズニーリゾート

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日本人なら誰もが知っているであろう東京ディズニーリゾート。リピート率90%以上を誇るこのテーマパークは、顧客満足度が非常に高い事業(企業)の鏡的存在です。毎年3000万人以上の入場者数を数える東京ディズニーリゾートはどのような戦略を打ち出しているのでしょうか。

Product

「非日常的な経験の提供」をコンセプトに掲げ、独自の世界観を提供しています。

Price

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは入場者増加に伴いパスポートの値上げを実施してきました。入園者数の抑制とパーク内の混雑緩和や将来的なパークへの投資資金確保を理由に挙げています。ただ値上げするだけでは入場者数が減ることも考えられるので、ファインディング・ニモのアトラクションを導入したり、今後アナと雪の女王の新しいゾーンを含む大型のリニューアルのための投資を行なっています。

Place

立地的に日帰りが可能な半径50km圏内に3000万人以上の顧客層がいることが運営的には理想とされています。開園をするにあたってどこで営業するのかを徹底的に精査しています。

Promotion

ディズニーは独特なプロモーション戦略を行なっています。「ミッキーマウスは1人」というコンセプトを特に強く守っており、全世界のディズニーリゾートで、可能な限り同時間帯にミッキーマウスが存在しないように配慮をしています。ディズニーの世界観を保ち続けている秘訣とも言えます。

Participants

ディズニーリゾートで働く従業員は「キャスト」と呼ばれています。徹底した教育体制を敷いている他、基本的には1年間の契約となっていて、マンネリ化の防止に努めています。

Process of service assembly

ディズニーにはマニュアルはあるものの、顧客ごとに合わせたサービスが提供できるように工夫をしています。身長制限に引っかかってしまった子供や、日本人以外の入場者、身体になんらかの障害を持つ人に合わせてよりよりサービスを心がけています。

Physical evidence

園内のデザインやモノの配置、色などの物的要素もコンセプトに合わせられています。建物の比率を変えてシンデレラ城を実際よりも高く見せたり、コンセプトの違うエリアが隣接する場所では水の音でイメージがごちゃごちゃにならないように工夫されていたり、世界観を壊さないためにも外の世界が見えないように工夫しています。

 

まとめ

ここまでサービスマーケティングについて触れてきました。有形の商品を販売する際のマーケティングと違うことはわかっていただけたと思います。また、サービスの均質化が難しい中、QBハウスや東京ディズニーリゾートでは均質化できないことを上手く活用して戦略を立て大きな業績を残してきています。サービスを商品として販売する際には7P(4P+3P)とサービスマネジメントの3つのマーケティング手法を考えて、戦略を練っていきましょう。