<人の心理を自由自在に操る>心理トリガー30~中編~



心理トリガーとは

心理トリガーとは、人間の心理を動かす引き金(トリガー)のことです。ジョセフ・シュガーマンが提唱したもので、何かを販売する時に活用することはもちろんですが、私生活の恋愛や人間関係を構築するためにも活かすことができます。心理トリガーを学んでおくと相手の心理を自由自在に操ることができるようになるので強力な武器となります。

心理トリガー30~中編~

心理トリガーは全部で30個あります。全てを10個ずつ前編・中編・後編でお送りしていきます。

感覚に訴えかける

セールスでは、感覚で売り理屈で納得させることを意識しましょう。どんな言葉にも感覚的意味合いがありどんな言葉も感覚的なストーリー性を持つのです。マーケティングのベネフィットも感覚に訴えることを意識しますし、コピーライティングも人の感情を動かすことを意識して書きます。感覚に訴えかけることを意識しましょう。

「感覚に訴えかける」の例

<人の心理を自由自在に操る>心理トリガー30~中編~

高級車にメルセデスベンツと言う車種があるのはご存知のことかと思いますが、アメリカではよく売れています。もちろん機能的にも優れていますが、同じ機能を持つ車ではなくベンツを選ぶ人が多いのです。その人たちは「ベンツのオーナーと言う選ばれた人々の仲間入りをしたい」と言う思いがあります。それはベンツの広告や、洗練されたデザイン、ブランドイメージから「かっこいい」や「おしゃれ」などの感覚を与えているのでしょう。

販売する側のテクニック

お客様があなたの製品・サービスを買いたいと思う感覚的な理由を考えて広告コピーやセールスで活用してみましょう。そのためにも、単なる製品説明だけで終わっていたところを「この製品を買うことで得られる感情面でのメリットは何か(ベネフィット)」を考えて実践するだけでも、結果は大きく変わってきます。

理屈による正当化

先ほど「感覚で売り」と書きましたが、お客様の感覚を動かして買うきっかけを与えたら、理屈によってその製品・サービスを買うことを納得させましょう。なぜそれを買うべきなのか、という論理的な理由をお客様に与える必要があります。技術的優位性や節約、効率性などの特徴を強調しましょう。

「理屈による正当化」の例

先ほどの「感覚に訴えかける」で紹介したベンツもこの理屈による正当化によって購入されている製品の1つです。感覚的にベンツが欲しいと思わせたら、今度は機能的な面での優れた点や乗り心地、実際に試乗してもらい肌で感じることによって「買って損することはない/買ったほうがいい」と思ってもらえるのです。

販売する側のテクニック

お客様に「買いたい」という理由ができたら、その製品・サービスを購入することが適切な判断だという理由を説明して買ってもらいましょう。数字などの客観的なデータや、実際に物を買った人の声を反映させるのもありですね。

強欲

人間はいいものを安く買えたり、高価なものが値引きで安くなっている時が購買要因になるということは覚えておいたほうがいいです。ただ安くするだけでなく、安さの秘密を裏付けることも必要です。人は「自分が受け取る資格があると思う以上のものを欲しがる」傾向にあります。強欲とは、お客様が期待する以上のお得感を提供できる時に使う心理トリガーです。

「強欲」の例

例えば、あなたが不動産へ物件を見に行ったとしましょう。様々な物件を見ていく中でとても安価の物件があります。他のところに比べて家賃が半分以下。そこは金銭的に見ると安いので人間の強欲を煽っていますが、実際には安いには安いなりの理由があります。築数十年立っているだとか、めちゃくちゃ狭いだとか、共同トイレ・風呂であったりと理由があります。

他には、食品工場にて売られている「規格外品」なども、形が違ったりと言う理由があります。

販売する側のテクニック

あなたが扱っている製品・サービスの価格を、できるだけ割安に感じられるようにしましょう。割安に感じさせることだけではなく、もちろんその価格を下げられる理由を裏付けるための理由はなくてはなりません。

信頼性・信憑性

セールス・販売だけに限らずこの「信頼性・信憑性」は非常に重要な部分です。自分が発信するメッセージに信憑性に欠ける部分があったら、お客様に気づかれる可能性は大きくなり、あなたは信じてもらえなくなります。どんな時も本当のことを誇張しすぎず、全面的に信じてもらえるようにしましょう。

「信頼性・信憑性」の例

不透明になっていることを明らかにするのも信頼性や信憑性を与えるいい要素です。例えば、飛行機トラブルで離陸の時間が大幅に遅れていたとしましょう。そこでもしスタッフが「只今機内チェックをしていますのでもう少々お待ちください。」と言ったとします。これだけでは不透明なため全くお客様に安心してもらえるとは限りません。そこでパイロットなど航空機に詳しい知識を持っている人間が、「飛行機というのはゲートに向かって地上走行する際、燃料を節約するため期待に電源をつないで電気で動かします。誰かが入って言って飛行機のお腹に巨大なプラグを差し込むわけです。プラグの元はAPU、つまり補助電源装置から電気をもらうのでAPUプラグと呼ばれています。」続けて、「只今の当機の状態はこのAPU電源が止まっているようなのです。そのため地上のクルーは給油の間もエンジンをかけていなければなりません。しかし法律上、給油中にエンジンが動いている場合安全のため乗客を登場させてはいけないことになっているのです。」と事細かに説明することができたら、お客様にも情報が開示されていて非常に信頼を得やすいのです。

販売する側のテクニック

テクニックとしては専門用語を使うと「この分野に関しては詳しい人なんだな」と感じてもらうことができます。しかし、その時に注意してもらいたいのが専門用語ばかりを使いすぎないことです。相手からすると専門用語は知らないことも多いです。それを噛み砕いて説明し、わかりやすい例を出してあげるとなお良いです。そのほかにも、あなたの一言一言が正確であるかを逐一チェックしましょう。

満足の確約

お客様がその製品・サービスを購入することで満足する、ということを確約してあげましょう。よく使われるのは「期間内であれば、全額返金保証します」です。

「満足の確約」の例

例えばRIZAPのような高額の商品を販売している場合に多いのは「30日間試していただいてご満足いただけなければ全額返金します。」という返金制度です。これにより、30日間も試せるんだという安心感にも繋がりますし、裏を返せば「自信があるから返金を申し込まれることはない」とも取れます。

販売する側のテクニック

「満足の確約」を活用した広告や文章を読んでもらった時に、「そこまでしていいの?「そんな約束したら悪意ある人に損させられちゃうよ?」とお客様に思わせるくらい大げさにしましょう。「<人の心を自由自在に操る>心理トリガー30~前編~」で紹介した「欠点を告知する」「抵抗感の克服」のところでも書いたように、お客様の頭に浮かぶ抵抗感を取り上げてそれを克服できるようにするだけでも満足を確約することはできます。

抽象的な表現にはなりますが、「あなたが製品やセービスを売っているのはそれが非常に優れているからであり、そうでもなければ売らない、とお客様に思ってもらえるほどの満足感とは何か」を考えましょう。

リンキング

合致するや一致するという意味で使われる言葉で「リンクする」が使われることもありますが、その言葉のことです。あなたの売ろうとしている製品・サービスとお客様がすでによく知っているものとを関連づければ、お客様はあなたの製品・サービスを理解しやすくなり、自分との接点を見つけやすくなります。リンキングは、商品とそれに付加価値を与えるものとをダブらせたり、流行に便乗したりする時に使います。蓄積してきた経験や知識を、日常的に接しているものと結びつけるようにしましょう。

「リンキング」の例

時代の流れに合わせる、という点から言えば2016年に映画「君の名は。」が爆発的なヒットを記録しましたが、「君の名は。」熱が冷めやらぬうちに映画の舞台として使われた地域に聖地巡礼と称して多くのファンが集まりました。それをチャンスととらえた地元の観光協会などは広告を出したりネット上で広めるなど多くの人が知っている「君の名は。」を活用して現地に訪れる機会を創出したのです。実際に僕も東京都四ッ谷にある須賀神社を訪れましたが多くのファンが集まっていました。これにより地元にお金を落としていく人が増えるので地元の活性化にも繋がりました。

販売する側のテクニック

あなたの製品やサービスに付加価値を与えてくれるようなリンクをいくつか挙げてみましょう。リンクさせるコツとしては、今世間的に有名な内容を関連づけたり、あなたが考えているペルソナの知っていそうな内容を重ね合わせて身近に感じさせるようにしましょう。

帰属欲求

人が特定のブランドや製品・サービスを買うのには、ブランドをすでに所有している人たちへの仲間入りをしたいという強い心理的理由があります。あなたも同じブランドでものを買ったり、憧れる人の持っているものと同じものを持つようにするのではないでしょうか。それがお客様心理です。

「帰属欲求」の例

<人の心理を自由自在に操る>心理トリガー30~中編~

有名アーティストのファンクラブはまさしくこれです。もちろんアーティストが好きだというのが大前提にありますが、いちいちファンクラブに入らなくてもコンサートやイベントに行くことは可能です。しかしファンクラブに入るとそのファンの中でのオフ会や交流が生まれます。またファンクラブ会員限定のイベントやチケット先行予約ができたりと特典は盛りだくさんです。中にはアーティスト本人と直接関わる機会を作ってくれることもあるのでそれだけでプレミア感が付いてくるのです。

販売する側のテクニック

あなたの製品・サービスを所有しているグループを特定し、なぜその人たちが製品・サービスを所有しているかを見極めましょう。そのグループの人たちから得た情報を活かすセールスを組み立てるようにしましょう。お客様のニーズや欲求と自分の製品との接点を見つけ出すことができれば、このトリガーを上手に使うことができるようになるでしょう。

収集欲求

人間の心理には「収集したい」と言う強い衝動があります。切手集めやコイン集めなど「コレクター」と名乗る人がいるようなものから、腕時計やジーンズ、同一ブランド品などどんな製品でも収集品になりうるのです。その収集欲求を活用するのです。

「収集欲求」の例

アパレルショップなどで多い「まとめ買いすると◯%OFF」や「次回来店時にお使いいただけるクーポンです。」と渡してきたものなどは、収集欲求を使っているとも言えます。お得感を演出していることはもちろんですが、そこのショップに魅力がなければ複数商品を買ってくれるとは限らないですし、再来店してもらえるとは限りません。たくさん買って何度もきてくれるということは「そのブランドのものが好き」=「集めたい」という思いが働いています。同じブランドのもので全身コーディネートを揃えるような人は、まさしく収集欲求の塊と言えるでしょう。

販売する側のテクニック

あなたの製品・サービスを一番買いそうなお客様が、同じような製品を買う可能性の高い見込み客であることも認識しておきましょう。例えば、あなたが腕時計を扱っているとしたら、競合他社の製品であっても腕時計を持っている人はあなたの腕時計も買う可能性が高いのです。競合他社の製品を買っている人についてもリサーチすることが必要です。お客様の中に潜む収集衝動を調べてみましょう。

切迫感

これは簡単に言うと、お客様を煽るイメージです。あなたが必死に説得して最高のセールスをしたとしましょう。それでもお客様は「もう少し考えたい」と言うことはあります。それはそのお客様を逃した可能性が非常に高いです。どんな最高のセールストークであっても時間が経つにつれて時間とともに風化し、忘れ去られてしまいます。購入を促すために切迫感を使って、先送りをさせないようにしましょう。

「切迫感」の例

例えば、旅行のツアーを決めるために旅行会社を訪れたとしましょう。行きたい場所のツアーがあったのですが予算的に厳しめ。そこであなたが「少し考えてまた来ます。」と仮に言ったとしましょう。すると窓口の人がこんなことを言ってきます。「このツアー今人気で、応募開始してから1週間で9割埋まってしまってあと2人だけなんですよ。もしかしたら明日には定員に達しているかもしれません。」と言ってきたらどうでしょうか?あなたは「今決めなかったらこのツアーは行けなくなるのか」「回りたい観光地も全部行くしな」などと求めているものが全て手に入るツアーだった場合。「今決めないといけない」と言うことで脳みそをフル回転させて考えることでしょう。そして最終的に「このツアーに申し込みます」と言うんです。

販売する側のテクニック

なぜあなたの製品・サービスをすぐに手に入れなければならないのか、具体的な理由を考えてみましょう。ただ「今すぐ買ってください」と言うだけだと売り込み感が強くなり逆効果です。お客様に動機付けや今すぐ買ったほうが良い理由を与えた働きかけるようにしましょう。

限定性

これは言葉の通りです。人間は、自分以外にわずかな人しか持っていないものを所有すると言うことに強い優越感を覚えます。これが動機になり得るのです。収集品や限定版の製品、短期生産、超高級品などは少数の人しか所有できないため、どれもお客様が買いたいと思わせる動機づけとなります。「数量限定」や「期間限定」でお客様の動機をより強いものへと変えていきましょう。

「限定性」の例

例えば、少し弱い限定性で言えば高速道路のサービスエリアで売られているような「地域限定品」やスーパーなどに売られている「期間限定品」などです。強めの限定性でいくと「世界に100台しかない車」や世界的に知名度のある人のサイン入りの商品は非常に強いです。販売されている時に「限り」や「限定」と言う言葉があればそれは限定性を活用している例です。

販売する側のテクニック

より限られたものだと言うことを証明するために、製品の供給を制限し、そのことをお客様に知らせるようにしましょう。彫り込んだり印字するとより強い限定性になります。それが製品の価値を高めます。価値がなければ限定性を感じてもらうことはできないので、自社製品・サービスにはどんな価値があるのかを考えましょう。

まとめ

  1. 感覚に訴えかける
  2. 理屈による正当化
  3. 強欲
  4. 信頼性・信憑性
  5. 満足の確約
  6. リンキング
  7. 帰属欲求
  8. 収集欲求
  9. 切迫感
  10. 限定性

今回は中編と題して10個お送りしてきました。各心理トリガーを活用するにあたってのポイントについて紹介しているので、怠らずにやるようにしましょう。