被害者続出!消費者センターも目をつけるマルチレベルマーケティングの危険性

「旅行に安く行けますよ」「会員限定の特典を受けることができますよ」「稼ぐ方法を無料で教えますよ」などと言った言葉を一度でも耳にした、あるいは目にしたことはありませんか?

SNSを使っていると毎日のようにフォローとフォロワーが1万人を超えるような人からフォローやフォローリクエストが飛んできます。最近特に学生の間で流行っているのがマルチレベルマーケティング(MLM)、ネットワークビジネスと呼ばれるものです。

一番初めの言葉も、MLMをしている人がよく使う言葉です。一見お得なように聞こえるかもしれませんが、それはお金を支払って権利を買ったりコミュニティに属すことになるのです。そう言ったものを売りつけて稼ぎを得ている人たちなんです。

僕は実際に少し前までMLMをしていました。そんな実体験を元に、巷で流行っているMLMの危険性や見分ける時のポイントなどをこの記事では解説していきます。



マルチレベルマーケティング(MLM)とは?

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ここではマルチレベルマーケティングとは何かということに関して説明をしていきます。

マルチレベルマーケティングは通称MLM(Mulch Level Marketing)またはマルチと呼ばれています。日本語では連鎖販売取引と訳され、よくネズミ講(無限連鎖販売取引)と間違われることが多く、いいイメージは持たれていません。

そもそも無限連鎖販売とは、連鎖が無限に続く。終わりがないのでそのビジネスを始めた人(組織図で言うと最も上の人)が最も儲かる仕組みになっています。要は、後から始めた人ほど不利だということです。有限でなく無限に続くため末端の人が稼げないというケースが多発し、詐欺だと言われるようになりました。

ネズミ算式に続くことからネズミ講と呼ばれるようになり、今の団塊の世代の人たちは特に悪いイメージを持っています。

MLMもネズミ講とほぼほぼ同じビジネスモデルを取っているため、例えセミナーや新規事業説明会などで「ネズミ講とは違うから」「MLMは無限じゃなくて有限なんだよ」という言葉を発していたとしてもいいイメージが持たれないのです。

実体験から見るマルチレベルマーケティングの7つの闇

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僕はほんの少し前までMLMをしていたので、その経験や実際に日本国内で起きているMLMの実態について話をしていきます。

とにかく稼げない

これは、本当に言えることですが、稼ぐことは難しいです。

詳しいことは次の章で話をしていきます。

友人関係が崩れる

MLMを始めたとなると、入会した直後から営業活動(勧誘)が始まります。

今まで普通の学生だった人や営業未経験の社会人、主婦などがいきなり営業マンとして世に出るのです。そんな営業始めたての人たちがアップ(その組織の先輩的な人)や紹介者から言われるのは「友達に声をかけまくろう」と言うこと。

営業経験のない人が全く知らない人にアポイント(会う約束)を取り、営業をかけていきなり契約が取れるかと言われたら限りなく可能性は低いでしょう。だからこそ身近で声のかけやすい友達に営業をかけるように言われるのです。

営業にも色々スキルがあります。

もちろん心構えで重要なこともありますが、営業の右も左も知らないまま声をかけることになるので、初めての人がだいたい陥るのが「面白い話あるから聞いてみない?」「セミナーあるんだけど一緒に行こうよ」などなど、不審がられること間違いなしの発言。

(実際に僕は友達に「面白い話あるから聞きに行こうよ」と電話で話され、切り際に「これで来なかったら友情崩れるから」と言われ無理矢理行かされました。)

友達に声をかけなければ「そんなんじゃ稼げるようにならないよ?」とアップに煽られ、自分がやりたくなくてもやるように仕向けてきます。そしてやってみると、上手くいかず友達が1人また1人と離れていきます。

これは実際に消費者センターに寄せられた声です。

・「大学の友達に株取引ノウハウソフトやセミナー受講を勧められ月1で話を聞いていたが、最近強引に申し込みと支払いを勧められ不審だ。」

・「友人に、化粧品・健康食品等のネットワークビジネスをしつこく勧誘されている。怪しいので断りたい。」

・「友人に勧誘されオンラインカジノのアフィリエイトをマルチ販売する契約をし、お金を払った。解約希望と伝えたが受けてもらえない。」

など、友人からの誘いをよくないように思っている人がとても多いです。僕の周りでもほとんどの人が友達との関係が疎遠になっていきました。

人の入れ替わりが激しい

毎日のように新しい人が入会してきますが、毎日のように人がいなくなっていきます。

「一緒に頑張っていこうね!」と意気投合をしていた人が、突如としていなくなることも本当によくあります。要は人間関係が希薄なんです。そこでの繋がりはあくまでも「お金」。そりゃそうです、人を紹介すればするほどお金が入る仕組みですから、人同士の繋がりはあくまでもお金。

一度「このアップの人がいいように言ってくれているのは、このアップの人の自分自身の収入のためなんだ」と思ってしまったら、その時点でMLMはやめた方がいいです。

消費者センターに訴えられる

先日、関東近郊で主に活動している旅行系MLMの某R社が業務停止命令を受けていました。

その内容がこちら。

当該事業者の勧誘者は、「お茶しませんか。」などと呼び出した消費者に、旅行を楽しんで収入も得られるなどと書かれた書面を読ませて説明会に誘い出し、消費者が断っても複数の会員が執拗に勧誘して、連鎖販売取引を締結させていました。

と、東京都のホームページに掲載されています。

閉鎖空間に連れて行かれたり、無理矢理入会をさせられるなどの訴えが多く、逃げられない/断りにくい状況にする手口が頻発しています。その後、クーリング・オフをさせてもらえないなどの声も多く寄せられています。

さらに、自分が関与していないとしても同じ会社内の人間が違反をすると業務停止命令のような被害を受けることになります。

営業も業務の一部ですから、法律上は営業も禁止されます。つまり、営業による収入は絶たれます。

勉強会やセミナーに参加することを強制させられる

営業マンとしての力を養わせるための勉強会やセミナーにほぼ強制的に参加させられます。予定がもともと入っていたとしても無理矢理こじ開けてこようとします。

「巻き込み力」というビジネスにおいて非常に重要な力がありますが、それをいいように使い、こちらの気持ちなどお構い無しで話を進めてきます。実際に僕も強引な巻き込みを喰らい、勉強会費などで20万円以上を使ってしまいました。その経験から言えるのは、時には断る力も非常に重要だということです。

営業活動を強制させられる

僕が入会していたMLMは、「稼ぎ方を教える」という商品を販売していく形態でした。

インターネットを使った転売やアフィリエイトなどのやり方を教えてくれると言ったものの、実際に教えてもらったのは不用品転売と自己アフィリエイトくらい。なので不用品が尽きたら終わりだし、自己アフィリエイトの案件がなくなれば終わり。

しかも、紹介者やアップがその不用品転売や自己アフィリエイトで稼いだことがないという衝撃の事実。当然何も教えてもらえず、ただただ営業の駒として使われていました。

しかも、僕自身入った会社がMLMだと知ったのは入会から2ヶ月ほど経ってからでした。

それまでは稼ぎ方を教えるだけのスクールのようなものだと思い込まされていたのです。なので稼ぐための方法を学びたいと思っていましたが、それを教えてくれる機会も月に1回、よくて2週間に1回。(新規事業説明会という名の営業用セミナーは週に3回もあるのに。)稼げるようになるはずがありません。

そして気づいたら営業をするように仕向けられ、「やりたくない」と言ってもやらせてくる。MLMはとにかく営業をして契約をして紹介料を得ないと稼ぐことができないので、必然的に営業をするように仕掛けてくるんですね。

ツボにはまると抜け出せない

長いことMLMを続けているとアップから「キミはやればできると思う」と言われることがあります。それを鵜呑みにして続けていくと、日に日にお金はなくなり心の余裕もなくなっていきます。余裕がなくなっても、「アップに期待されてるし俺にはできる!」と根拠のない自信でズルズル続けてしまうのです。

するとツボにはまったも同然、抜け出せなくなります。

「お世話になったから」とか言う綺麗事を理由に退会することを恐れるのです。でも、それは自分自身の人生、他の人の言うことなんて関係ありません。辞めたいと思ったら辞めましょう。

マルチレベルマーケティングはとにかく稼げない

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先ほどの章の1番初めにも言いましたが、結局僕が言いたいのはこれ。

稼げない

ということです。

言葉巧みに会員の熱を上げて、「1週間で1人が2人紹介すれば、2人→4人→8人→16人→32人→64人→128人→256人→512人と2ヶ月後には収入何倍にもなるよ」と今まで誰も成し遂げたことのないような話を持ち出してくるわけです。

実際にそれを話している人も、できていない人間です。自分ができてもいない話をしてくるわけです。周りでも上手くいく人はいません。実際にそれで多くのお金を費やし回収できずにMLMを辞めていった人たちを何人と目の当たりにしてきました。

また、仮に100人の人が512人を紹介したとして会員数は51,200人。その人たち全員がそれぞれ2人を紹介したとして102,400人。この数字だけ見てみても、ありえない数字です。

またここまで大きな規模感でMLMをやっていくとなると、一般人でも知られるレベルになってきます。しかも、他のMLM会社が潰そうとしてくるので契約を取ることが徐々に難しくなっていきます。

ここからは実際に僕が参加していたMLMの報酬形態を基に話をしていきます。

紹介料は、契約金のおよそ16%。仮に20万円の商品を売っても、得られるお金はせいぜい32,000円。営業マンが、契約を獲ってきた場合のインセンティブの相場は売り上げの30~40%程度なので、いかに低いかがわかります。

しかもそれを「16%でも高い」と言ってくるわけですから、恐ろしいもんです。

その他にも、MLMの報酬形態の代表の1つにバイナリーというものがあります。(投資のバイナリーオプションとは全く関係がありません。)

この制度がある限り、収入を得たければ営業をせざるを得ません。「勧誘/営業しなくてもいいよ」と言ってくるアップもいますが、それは嘘です。

以下の図を見てください。

被害者続出!消費者センターも目をつけるマルチレベルマーケティングの危険性

この図は、バイナリーという制度にとても関係してくる組織図です。

この写真で考えてみましょう。

あなたが一番上のオレンジの人だとします。そしてそのあなたから直接繋がっている人を、左の人をAさん、右の人をBさんだとします。

このバイナリーというのは、「自分からみて左右の小さい組織の、人数×◯◯円」というものです。

Aさんの下に人が100人いたとして、Bさんの下に50人の人がいたとします。

なのでこの時の報酬額が1人あたり1,000円だとすると、50人(小さなBさんの組織の人数)×1,000円(報酬額)=50,000円となるわけです。50人いても、月に入ってくる金額は50,000円です。

月の収入だけ見ても少ないなと感じるかもしれないですが、それ以上に大変なのはここまでの道のりです。

もし仮に50人の組織の、25人を自分の直紹介で決めて、残りの25人を自分の下の組織で作ったとしましょう。1人当たり2時間のアポイントと2時間のプレゼン(サービス・商品の説明)で25人を100時間かけて契約(入金)。残りの25人も2時間ずつプレゼンしたとして50時間。トータル150時間はかかっています。

50,000円をこの150時間で割って時給換算してみると、333.33円となります。東京都の最低賃金は約930円ですから、およそ600円も開きがあります。また、アルバイトであれば働いた時間分の給料を手にすることができますが、MLMで営業をやると150時間働いたとしても、契約が取れなければ自分の収入は0です。不確実性の大きな仕事とも言えます。

また、50人の組織を作るのにかかる時間を150時間としましたが、これはあくまでもプレゼンが終わるまでに契約書にサインして入金された状態。そのため、プレゼン中に話がまとまらなければ後日契約ということにもなり得るのでこれ以上に長くなることは容易に想像でき、時給換算で333.33円よりも低くなることは起きて当然とも言えるのです。

実際に僕の参加していたMLMのバイナリーの報酬額は1人あたり1,500円だったので、50人いても75,000円。150時間で割ってもわずか500円なのです。この報酬額はもともと低いため、頑張って小さな組織を50人にしても、収入はたかが知れています。

また、どれだけ自分の組織が大きかったとしても、「左右の小さな組織の人数×報酬金額」なので、極端な話をすると、先ほどの図のAさんの組織に100人あるいは1,000人いたとしても、Bさん側が0人だと一番上の人間の収入は0円。

どっちの組織も育て上げなければならないのです。自分でアポイントをして契約をとって、自分の組織に属する人たちの連れてきた人を契約させなければいけないわけです。ゴリゴリの営業マンにならなくてはいけません。

簡単に稼ぐことはできないですし、生半可な覚悟では思った通りの収入を手にすることはできません。また、先ほどの章でも述べたように、人の入れ替わりが激しいので収入が安定することは期待できないのです。

MLM始めたての営業マンを見分ける2つのポイント

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ここからは、MLMをしている営業マンの見分け方をお教えします。

多くの場合がSNSで「お茶をしましょう」などと言って誘い出して話をすることになるのですが、そこまでに見分けることは難しいです。もちろん自分で「怪しい」と思ったら会いに行かないのがベストです。

しかし、もし会ってしまった時のために見分けるポイントについて話をしていきます。

会ったその日のうちに「お世話になってる人」をその場に連れてくる

始めたての人(始めたてに限らず)は、営業力がないので自分の紹介者やアップの人にプレゼンをしてもらって決めるというケースがほとんどです。

もし話の最中に「お世話になっている人が今この近くにいて」や「今日私/僕がお世話になってる人にきてもらうから」という文言が出てきたらそれは営業をかけられる証拠。

というか、自分が了承していないのに連れてくるなんて人間としてどうかしています。

もし自分自身が会いたいと思うのであればそれはいいかも知れませんが、無理矢理連れてくるようでしたら断るかその場を立ち去るなどしましょう。

会った瞬間から「自分の夢」「セミナー」という言葉が出てきた

初対面なのに、会った瞬間から「自分の夢は外車を買うことで・・・・」「面白いセミナーがあるんですけど・・・・」などの文言が出てきたらそれはおそらくMLMでしょう。人の話を聞かず自分の話ばかりをしてくる人は、営業という仕事を知りません。

そもそも、自分で論破しようとしたり説き伏せようとしている魂胆が見えています。そんなんで契約を取れるはずがありませんし、話をされている側もいい気はしません。

会うことになったとしても、SNSの段階からも、信じすぎないようにしましょう。

最後に

被害者続出!消費者センターも目をつけるマルチレベルマーケティングの危険性

マルチレベルマーケティング、ネットワークビジネスは非常に恐ろしい存在です。

無理矢理の勧誘を仕掛けてきて、こちらの同意なしに契約書を書かせたりします。そしてお金が振り込まれると音信不通になるのはよくあること。そこから人間不信になって閉鎖的な生活を送るようになったという事例も目の当たりにしたことがあります。

営業を初めて友達に声をかけてみたら関係が崩れて元に戻せなくなった・・・。そんなことはよくあります。僕も経験があります。

上手く何人か紹介が出せたとしても、契約1件あたりのインセンティブが安かったりその他の報酬制度も会員にとって優しいものでなく、全く収入が得られずに出費だけが嵩んでいつしかMLMを退会しなければ行けなくなります。

また、人間関係が希薄になり、人を信じられなくなって友達には信じてもらえなくなる。自分の精神状態や今後の生活を崩しかねない事態を引き起こす可能性が、MLMにはあるのです。

今の世の中はネット社会が蔓延していて、誰もが危険に晒されてもおかしくない状況へと移り変わってきています。そこで僕が思う最も大事なことは「断る力」「疑う力」「見極める力」だと思っています。

同じ経験をしてもらいたくないからこそ、MLMの実態を赤裸々に辛辣に書き記してきました。自分ごとに落とし込んで、日々の生活に活かしてもらいたいと思っています。